珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

××××の予感についての覚書|石の下からミミズのようにはい出て来る

(風邪で死んでました)

落ち着きのない女

近頃はどうにもムズムズが酷い。鼻や脚ではなく……気持ちが。気持ちがムズムズするのだ。漫画作品では登場人物(大体ヒロイン)が眉尻を下げて己の体を抱きしめ「よく分からないけれどイヤな予感がするの……」と主張するシーンがあちこちで見られるが、その「イヤな予感を受信した瞬間」が延々と続いているような感覚。「雨の日に外を歩いていて靴下にじんわりと湿り気を感じ始めたまさにその瞬間」みたいな、そういうアレに絶えず襲われているのである。

そしてここ2~3週間ほどずっとそんな調子なものだから、バイト中もバイトどころではなく、休憩中も休憩どころではなく、会話中も会話どころではなく、帰宅中も帰宅どころではなく、睡眠中だけかろうじて睡眠しているような状態だ。息をして立っているだけで疲労困憊。生ける屍を通り越して死に続ける屍になっている。

どうしてこうなった。

「ゴーストタイプ使ってそう」って言われたことある

なんでそんなに四六時中ムズムズしているのか。ムズムズの正体は「ストレスの予感」である。「ストレスそのもの」ではない。この先1分後か5分後か30分後か1時間後か知らんがやってくるに違いないストレスに怯えているのである。自宅では今日の仕事という「ストレスの予感」に怯え、バイト中にはいつ頭のおかしい客や酔っ払いがやってくるかという「ストレスの予感」に怯え、人と話しては会話終了後に必ず開催される脳内一人反省会という「ストレスの予感」に怯え……最終的には怯えることにも怯えている。

要は脳内で勝手に悪いことばかり想像して、勝手にそれが現実になると思い込んでいるのだ。常に全身の毛を逆立てて構えているものの、結局なんてこたあなくて、逆立った毛がヘロヘロと倒れていくのを分単位、時間単位、日単位でひたすら繰り返している。相手がポケモンを繰り出す前からほのおタイプポケモンが来ると勝手に思い込んで、相手のボールから出たポケモンが何かも確認せず問答無用で開幕ハイドロポンプをぶちかましているような状態だ。そりゃー疲れるわな。

目が死んでるから結局死んでるよ

心配性と一言で片付けてしまえばそれまでなのだが、別に心配しているわけではないのでちょっと違う気がする。怯えているし――怒ってもいるのだ。起こっていない出来事に対して怒っている。私の頭の中でだけ時間が何倍も早く進んでいて、まあそれは全部妄想なのだけれど、あまりにも酷い出来事ばかり(頭の中でだけ)起こって、それに対して怒って……一人芝居もいいとこである。考えすぎて身を滅ぼしてちゃ訳もないわな。世の中には「被害妄想」という便利な言葉があったのを思い出した。被害妄想で人知れず自滅する女。どうせなら受付で仁王立ちのまま死にたいな。弁慶みたいにさ。

軽微なストレスもコツコツ積み重ねりゃ

滾滾と湧き出す「ストレスの予感」に悩まされている人、まあそんないっぱいはいないだろうが、ルビサファの最初の草むらで♀のラルトスに出会う確率くらいの割合でいるんじゃないかと思う。「ストレスの予感」は結局、そういうストレスを感じたことのある人間にしかやってこないのだ。世の中には「トラウマ」という便利な言葉があったのを思い出した。ちっぽけで、取るに足らない嫌な思い出だって、たくさん集めて皮袋に詰めて投石器でぶん投げたら痛いものだ。

世の中には色々な人がいる。「ストレスの予感」をそもそも感じない人。感じても怯えない人。怯える人。怯えている自分に怯える人。怯えている自分に怯えるかもしれない自分に怯える人。ストレス耐性ガチャに完全敗北した白黒UC。

 

f:id:shirokuro_044:20191222122129p:plain