実体験から考える雑談と同意についての覚書|命短し談ぜよ人間
1600時間は約67日
コロ
見つけにくいものです
時事に疎い私といえど、流石にコロ
アルバイターよ、労働中に雑談せよ
ところで最近、ある疑念が確信に変わりつつある。軽労働のアルバイトにおいて必要なものは、能力でも技術でも飲み込みの早さでもない。ただひとつ、労働中の雑談力である。一応ことわっておくが何も仕事中にペチャクチャ話せと言っているわけではない。 ただちょっと客足が落ち着いた頃合に、「なんか今日お客さん多いっすね」「あーそういえば今日近くでイベントあってたらしいですよ」「その帰りの人かあ」「でしょうね、どっかのアイドル来てたみたいで」「マジ?」みたいな、こういう取り留めのない雑談を二三往復してまたサッと業務に戻る、そういう短距離走的な会話が出来ることの重要性を近頃痛感している。よく考えてもみてほしい。大抵のアルバイト募集広告には「和気あいあいとした職場です」「従業員同士の仲が良く、長く楽しく働けます」「友達が出来るかも」という文句がつきものだ。この売り文句が正しいことを証明するには、従業員同士が業務中に雑談を交わすことが不可欠なのである。全員が一言も余計な会話をせず数時間ただ黙々と働いているだけの職場はどう考えても和気あいあいとしていない。募集広告詐欺だ。労働開始前や労働終了後の会話時間なんてたかが知れている。誰もが1秒でも遅く来て、1秒でも早く帰りたいのだから。しかしながら時に店側というものは、従業員に私語を控えるよう警告しておきながら、募集広告には「和気あいあいとした職場です」と書く。何たる矛盾。もし仕事中の私語を注意されたのなら、「我々は和気あいあいとした職場を作る努力をしているんですよ」と胸を張って言おう。雑談は義務だ!わーい!
気の利いたことが言えないからせめて同意する
揚げ足取りはさておき、実際に雑談出来る人が同じ時間帯にいれば驚く程仕事は楽になる。暇なときは「暇だなあ」という感情を共有し、忙しい時は「忙しいなあ」という感情を共有する。面白い話なんか別にしなくていい。一方が「暇ですね」と言って「暇ですね、何しましょう」と返せば(返ってくれば)それで充分である。先程から雑談力雑談力と言っているが、同意力と言い換えてもいい。むしろそっちの方が意味合いとして正しい。繰り返すが何も長々私語をしろと言っているのではない。あんまり喋ってたらそりゃ怒られても仕方がない。自分の会話力に自信のない人は、まず同意力から始めよう。相手が「暇だなあ」と言ったら「暇ですね」とある程度感情を込めて返す。相手が何も言っていなくても明らかに暇そうにしていたら、それを先取りして「暇ですね」と言う。それだけでいい。すると相手は、「コイツには同意を求めてもいいんだな」と考えるようになる。私に同意を求めていいですよ、という姿勢を取ることが最もお手軽でかつ効果的なコミュニケーションである。逆を考えると、「クソ暇で仕方ないんだけどコイツに同意を求めてもなあ」という具合に、「この人に話しかけてもどうしようもない」と思う(思われる)のはもう最悪である。私は会話下手の根暗だが、いや会話下手の根暗だからこそ、心の門だけはいつもガバガバに開けておくことにしている。
別にこんな話をするつもりは全く無かったのだけど、書いてしまったものは仕方がない。コミュ障の戯言なので、太ったダイエットコーチが説く太らない方法程度に思っておいて欲しい。 会話下手の同志諸君、今日も頑張って同意を求めたり求められたりしましょうね。
ね。