珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

「目標」という厄介な分身についての覚書|「自分のため」なんか存在しないのかも

もくひょう【目標】-行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準(デジタル大辞泉)

目標のここがすごい!

・自分を高めることができる

・人生を有意義にすることができる

・達成の喜びを知ることができる

目標のここがだめ

・達成できない

俺の結論を聴け~

たまには結論から述べよう。「目標は健康によくない」。数日前からずっとこの結論について考えていて、この結論が頭の中をぐるんぐるんぐるんぐるん巡っているのだが、この結論に至るまでの経緯についてはてんで思い出せぬ。「目標は健康によくない」。なぜと問われても、ウーン、分からん。結果のみがあって、経緯が無い。となればもう、結論ありきで適当な経緯を組み立てるしかあるまい。本日の記事の目標は、「目標は健康によくない」という出処不明の結論に終着するような、それらしい経緯をでっち上げること――イヤイヤ、「目標は健康によくない」んだった。本日の記事の方針とでもしておこうか。目標を方針と言い換えたところで、だから何だという疑問に関しては、この記事の最終段落辺りの私にでも尋ねてください。彼女はきっと知っています。

「生きる」「死ぬ」という目標さえも誰かのためにあるような気がする

目標といえば、最後に「自分が立てた目標を自分の力で達成した」のはいつだったろう。そもそも自分には「自分の力で達成した」と自信を持って言い切れるようなことがあっただろうか。それ以前に「自分が立てた目標」なんてあっただろうか。「テストでXX点を獲る」。それは本当に自分が望んで立てた目標だろうか。「Xkg痩せて可愛い服を着る」。それは本当に自分が望んで立てた目標だろうか。心の奥底にはテストが100点だろうが0点だろうが知ったこっちゃないし、自分が痩せてようが太ってようがお構いなしな自分が居る気がする。いや勿論テストの点が良いに越したことはないし、スタイルが良いに越したこともない。65点より90点の方が嬉しいし、標準体重ピッタリよりも少し軽い方が嬉しい。けれども、それは一体何のために。テストが0点だと困る私や、太っていると困る私を造ったのは一体……ウン、これは考えるまでもなく社会であるが、社会悪者論はここでは止めておこう。私はトマトが苦手なように社会が苦手なだけであって、病魔を憎むように社会を憎んでいるわけではないのである。話が逸れたが、自分がやったことは自分がやったことで、自分が考えたことは自分が考えたことのはずなのに、何もかもが自分から数センチ離れたところで作用しているような気がして、なんだかなあ、ということを述べたかったのであった。

他人事ここに極まれり

自分に関する物事が、自分に触れているようで触れていない場所で、しかし上手いことやってのけているのを眺めていると、居た堪れない気分になる。上手いことやっている場合でさえそうなのだから、下手こいている場合は尚更そうである。本当に必要なのか必要じゃないのかさえ分からない目標が自分から少し離れた位置にあって、それが達成されたり達成されなかったりしているのをただじっと見つめている。達成されたら「おめでとう」と言い、達成されなかったら「ドンマイ」と言う。まるで他人の如し。そしていつしか「ドンマイ」と返すしかない生き物になっている。そのうち「ドンマイ」と返すことにも疲れて、目標それ自体を嫌悪し始める。それでも自分が生きている限り、目標は自分の数センチ先ないし後ろでぽこじゃが生まれ続ける。おめでとうございます、元気な「目標を立てないという目標」ですよ。

「目標」というもう1人の自分

ここまで来ても「目標は健康によくない」という発想の根拠とか、具体例とか、こうこうこういうわけで健康によくないんです~みたいなことは結局曖昧なままだけれど、文量が増えてきたし収集がつかなくなりそうなのでこの辺で終いにする。「目標は健康によくない」というのは、以上のように(?)目標が自分の中にない、自分から離れた場所にばかりいつも存在する人に向けた結論であって、目標が自分の中にある人に関してはその限りではない。自分の外にある目標の面倒を見続けることは、実質もう1人の自分、或いは赤の他人を世話しているようなもので、飛べもしなければ自分で嘴を開くことさえ出来ない、そもそも「餌を食べる」ということさえ何かも分かっていないような雛鳥を2羽も養うとなれば、そりゃいつか身体を壊す。自分の人生が何のためにあってどう進んでいけば分からない人間と、自分の存在が何のためにあってどう進んでいけばいいか分からない目標という、世にも不幸な兄弟。人間は重病でも患ってない限り死のうと思わないと死ねないし、目標は死にたいと思っても自分1人じゃ死ねないので、もう大変だ。いつの日か、私の「中」に目標が生えてくるといいな。たけのこみたいにさ。

 

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