珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

新ジャンル:愚痴ポエムについての覚書|第一回知的に愚痴ろうの会(なげやり)

限界接客労働者の1度でいいから言ってみたい台詞

・お客様の頭の悪さをカバーするだけの手腕が不足しておりました申し訳ございません
・お客様じゃなかったら殺してました
・失礼ですがお母さんかお父さんに代わって頂けますか?
・私あと30分で上がりですのでその時改めて無関係な他人同士として喧嘩しませんか
・フッ、おもしれー客
・今の時間は資格持ちのスタッフが不在でして要介護のお客様はお断りしております
・ふりがな付きの案内表をご用意致しましょうか?
・トイレ以外の場所でうんこしないで頂けます?
・働いたことあります?
・理性ありますか?

 

うやむやにされるストレスたち

私はアホだが、どこか合理主義というか、損得勘定に非常にシビアな面があるので、度々こう思う。「悪意の無い相手から受けた多大なるストレスという被害に対し、その被害額を一体どこに請求すれば良いのだろう」と。例えば、非常に動作が緩慢なおっとりしたお客様が来店して、その客に一切の悪気は無いのだが、動作はおせーわ行列は出来るわ後ろの客から野次が飛んでくるわ後ろの客に何故か(何故か!)こちらが申し訳ございませんとぺこぺこ頭を下げねばならぬわで甚大な精神的ストレスを被ったとして、その被った被害に関して、我々は一体どこに訴え出れば良いのだろうか、ということである。勿論「訴える」というのは比喩的な意味合いでである。本気で訴訟しようというのではない。世界中で0.1秒に1回は発生しているであろうこういった事例において、99%の場合は「我慢」や「帳消し行為」によってうやむやにされる。その後で人に愚痴ったり、SNSに書き散らしたり、モノに当たったり、頭を振って忘れようとしたり、帰宅後に酒を飲むなどして、帳消ししようと努める。……じゃあ、その「努める」ためのエネルギーはどこから捻出するのか?もしくはどこへ請求するのか?それはズバリ「ストレスそのもの」からである。「ストレスそのものから生まれる怒りのエネルギー」によって、我々は怒るのである。なるほど、ストレスはエネルギー源だ。ウィダーを飲んだりカロリーメイトを食うよりも、よっぽど経済的でお手軽なエネルギー補給だなあ。

 

行為を憎んで、人を憎むな

「悪意なきストレス発生源」は死ぬほど厄介だ。もしそこに明確な悪意があれば、それに対して直接、正当に、被害額の請求をすることが出来る。一方で我々は、「悪意なきストレス発生源」に対し、どのような態度で望めば良いのだろう。舌打ちする?睨みつける?いやいやどんなにガンを飛ばしたところで、相手が賠償金を支払ってくれるわけでもなかろうに。《我々にはどこまで請求権がある?》「悪意なき」というと何だか敷居が高いので、言葉を変えてみようか。「自覚なきストレス発生源」「自制不可能なストレス発生源」「歩くストレス発生源」「お前の存在がストレス発生源」「お前人をイライラさせることに関しては一丁前だな」などと……おお!おお!これ以上はいけない。これ以上はいけない!そう、我々は、「悪意なきストレス発生源」たる存在者に対して、いつでも攻撃する用意が出来ている。そう、攻撃しようと思えば、いつでも、どこでも、誰でもさ。なんてこった!相手の「悪意なき」という性質を我々に都合よくこねくり回して、「悪」に仕立てる用意がいつでも、どこでも、誰でも、とっくの昔に出来ている。だから我々は……理性のある我々は、出来る限り行為を憎んで、人を憎まぬようにせねばなるまい。

 

D(道徳的に)K(考えて)

我々が社会の中で生きている限り、「悪意なきストレス発生源」に対して賠償請求する権利は否定される。そう、道徳的に。人が社会の道徳に逆らって「ええい知ったことか、俺はもう我慢ならん、いいか、お前の存在が~」とでも言おうものなら、道徳に基づいて非難されるのだ。我々の中で、「悪意なきストレス発生源」となる可能性を有していない人間などいるだろうか?いるはずもない。急いでいる人の前をちょっとうっかり邪魔して塞いでしまって、それで急いでいる人をイライラさせたのなら、それはもう急いでいる人にとっては「悪意なきストレス発生源」だ。でも仕方ないじゃない。後ろに目は付いてないんだもの。後ろから急いでいる人が来ているなんて知りようがないんだもの。後ろから来ている人が急いでいるなんて知りようがないんだもの。そんなことでいちいち訴訟されてたらいくつ裁判所があっても足りないわ。けど私が逆の立場なら……「訴訟!」って言っちゃうかもね。

 

キリキリしてるのは胃の方なんですが

よっぽど接客が好きでかつ大海原のような広い心を持っている奴でもない限り、特に、私のような大の接客嫌いの接客アルバイターみたいな奴にとっては、客なんてものは大抵の場合「悪意なきストレス発生源」なのだ。そういうものなのだ。ごくまれに悪意がある奴もいるけれど、99.9%の客は、そこに1ミリの悪意もなく、ただ何らかの偶然によって、不幸にも、店員をイライラさせたりしているだけなのだ。ウム。私は頭で分かっているね?分かっているともさ。だから今日も「訴訟!」って言いたいのを我慢してキリキリ働いているわけだ。だって相手に悪意は無いわけだからね。相手に悪意が無ければ無いだけ、どこにも訴えようのないストレスが溜まるのさ。悪意がある相手に対して名指して訴えられるような性質のストレスとは別にね。そう、訴えられないストレスは別腹。

 

 

f:id:shirokuro_044:20201116115535p:plain