主語の重要性を噛み締める覚書|誰か9月になったら私に「梅ワインを買う」ってリマインドしてください
アンジャッシュ
客のおじさん「えらい流行ってるみたいだねえ、全国で」
わたし「あーそうですねえ(流行ってる?全国?コロナのことかな?)」
客のおじさん「なんかどこ行ってもすごく賑わってるでしょ」
わたし「人は相変わらず多いですよね(GWだからって話かな?)」
客のおじさん「僕は大阪とか愛知の方にも行ったけどどこも人が多くて」
わたし「都市部はやっぱり多いんですね(外出自粛してないって話かな?)」
客のおじさん「だからこういう系統のところが最近の流行なんだなって」
わたし「あ、ええ……確かに(ん?)」
客のおじさん「結構あちこち新店舗出してるでしょ、おたくの店」
わたし「そうですね!(あっこれコロナの話じゃない)」
倍プッシュ
いやいや分かるかーい。この時期に「流行ってる」「全国で」「どこも人が多い」なんてワードを散りばめて話されたらコロナの話題って思うに決まっとるやないかーい。今改めてあのときの会話を思い出しても、圧倒的にコロナの話題で話が進んでいる雰囲気だったじゃないか。どう考えてもその話をしているような空気感だったじゃないか。あの流れで「このおじさんはうちの店が全国展開していて最近ではこういうタイプの店が流行っていて各地の店舗が客で賑わっている話をしたいんだなあ」と思うような人がいるか?いやいないね。賭けてもいい。何なら前回の2倍の金額を賭けてもいいね。前回……そう前回の……そういえば私が最後に何かを賭けたのはいつだったかしら?ポケモンのゲームセンターでメダルを賭けた記憶くらいしかないぞ。
Bダッシュ
すれ違いコントといえばアレだな、『さよならを教えて』の主人公と正ヒロイン睦月ちゃんの会話。ざっくり説明すると、主人公は統合失調症を患っており、同じ病院に入院している睦月ちゃんのことを「天使様」だと思い込んでいる。で、2人が出会って会話をするんだけど、睦月ちゃんの方は「私ついに退院出来そうなんです」という話をしているのに、主人公の方はというと「君の正体、すなわち君が天使であることについてなんだけど……」という話をしている。この文面だけ見ると非常にえらいこっちゃなのだが、奇跡的に2人の会話が噛み合っている。そういうシーン。時折主人公が明らかにおかしい発言をしているけれども、肝心なところは華麗に受け流す睦月ちゃんもまた睦月ちゃんである。いやあ、屈指の名場面ですねえ。『さよならを教えて』で最も有名なシーンはあの「スーパーマリオ」の部分だと思うのだが、個人的にあの場面はなんというか「となえ先生なに言ってんの?」という、見ていて小っ恥ずかしくなる側面が大きくて、好きかと言われると、グゥ。となえの話を聞いたあとに主人公がとなえに襲いかかる場面はべらぼうに好きなのだが、なんだろうね、アレは。となえはカウンセリングのいちキッカケとしてああいう例え話を持ちかけただけというのは重々承知しているのだが……なんだろう?あの奇妙な恥ずかしさは。私にはちょっと早すぎるかもよ。
チョーヤウメッシュ
日記っぽいことを書いているついでなので更に日記っぽいことを付け足しておこう。少し前のことになるが、「チョーヤ 紅氷熟 梅ワインヌーボー2018」を人からいただいた。最初の一杯を飲み終えた時点で既にAmazonやチョーヤの公式サイトを漁り始めるくらいには美味かった。なんというか、梅酒の原液をはちみつで割って飲んでる感じだ。つまり、めちゃくちゃ甘い。舌が溶けるかと思うほどの甘さにも関わらず、甘すぎる飲み物特有のピリリと痺れるような刺激は一切なくて、甘すぎるのにゴクゴク飲めた。「甘すぎる」が純粋な褒め言葉として通用する、凄まじい美味さだった。貴重な1本をわずか数日で空けたあと、梅ロスに罹ってチョーヤのウメッシュプレミアムを買った。美味かった。しかしあれほどまでに炭酸水を憎らしく思ったことはなかった。美味いんだけど、美味いんだけど、シュワシュワじゃなくて、あのトローリとした舌触りが、ああ。2021年の梅ワイン買います。