問いと問いをボウルに入れて問いを少々加え問いの上に並べて焼き上げる覚書|問いより始めよ
子ども時代に見た先生という存在は遥か遠い遠いところにいるすごい大人だったが実際自分が先生になれるくらいの年齢になってみると先生もみんな人間だったんだなあって実感するし小学生から見た高校生は本当にデカいが実際自分が高校生になってみると大したことないと思えるようなアレ
答えを捜し求めている人間は大勢いるだろう。一方で、問いを捜し求めている人間はそう多くはないだろう。しらんけど。人はいつも自分の中で問いを立てて、そこから導き出した答えが正しいかどうかを自分の中で審査する。はて、この答えは正しいのか。もっと他に適切な答えが存在するのではなかろうか。もし存在するとすれば、それは一体どのようなものであるか。この世界にあって答えを考えているのはだいたい人間である。その問いを打ち出すのもだいたい人間である。答えを求める生徒が人間ならば、問いを立てる先生もまた人間である。
あ
問いを捜し求めると言っても、それすなわち「『問い』という答えを捜し求める」に等しいわけだから、結局答えを捜し求めていることに違いはないのだが。はて、私にとって正しき問いとは?私が立てる問いはいつも適当だ。「この先の人生どうすればいいのか」とか「有意義な毎日を送るにはどうすればいいのか」とか「今の私に必要なものは何か」とか、問いの模範解答みたいなものを並べ立てては、平均点を獲ってそれで満足している。コンスタントに平均点を獲るのはまあそれはそれで素晴らしいことだが、優等生であるとは決して呼ばれないだろう。これらの問いに対して、「お好きにどうぞ」の一言で全てに答えられそうなところがまた情けない。そう。お好きに。お好きにね。
一つ目の段落のタイトルが長すぎるので二つ目でバランスをとりました
よき答えを欲するならば、まずよき問いを立てよ。そんなことを誰かが言っていたような気がするし、言ってないような気がするし、まあ古今東西探せば誰かが言っているだろう。今日そこから導き出した答えが明日には無用の長物と化すような問いや、今日の答えは白だが明日の答えは黒になるような問いや、それが私の人生にひとかけらの影響も及ぼさないような問いなんてのは、決して無価値ではないが、概して無意味だろう。中途半端な問いから中途半端な答えを引き出し、それを丸めたりちぎったりしてキャッキャキャッキャ遊んでいられるほど、我々の人生は長くないはずだ。真に必要な問いとはなんぞや。
空前の汁なしカップ麺ブーム
「真に必要な問いとはなんぞや」という、問いを問いと問いでサンドしたような非常に回りくどいこの問いは、よき問いのひとつに加え入れてもいいかもしれない。ウム。油そば食いながらそれらしいことをタイピングしていたらよき問いがひとつ生まれたぞ。やっぱり油そばは人生に効くんだな。人間が人らしい知性というものを使い始めてから、星の数ほどの問いが生まれては消えていった。その中に、人間にとって真に必要な問いがひとつでも存在していただろうか。存在しといてもらわねば困るのだが。大昔から数えて夥しい数の人間が夥しい数の問いを立ててきたのに、その中に人間にとって真に必要な問いがひとつも含まれていなかったら、……ああ、いや、やめとこう。はい。
あなたが最初に始めた問いはこんなに大きくなりましたよ
なぜ人はこんなにも問わねばならないのだろう。一体誰が人に問うことを強いているのだろう。たくさんの人間がたくさんたくさんの時間を費やしてたくさんたくさんたくさん問うことに何の意味があるのだろう。始まりはきっとちっぽけなひとつの問いだったんだ。そこから多くの問いが派生して、今の我々の暮らしが出来たんだ。ずっとずっとずーっと昔、人類史上初めて何かを問うたひとりの人間が必ずいたはずなんだ。そう考えるとその人はめちゃくちゃすごいな。人類で初めて、何かを問うた人。我々は皆、その人から生まれたと言っても過言ではないだろう。どの種を以て「人類」とすればいいのか私には分からないけど。でも、全て既存の物事には最初があるわけで、そこに人が関わっているのなら、そこには必ず最初の人がいたはずだ。すげえ。尊敬という言葉では言い尽くせない。ブラボー。
始まったものはいつか終わるので
人類は毎日成長の螺旋を描いているが、その螺旋の終わりは始まりの状態に等しくなるんじゃないかなあとぼんやり思っている。終わりってのは、まあ、平たく言えば滅亡というやつである。終わりが始まりに接続する。最後の人類は最初の人類に接続するんだ。ならば人類で最後に何かを問うことになるひとりの人間は、人類で最初に何かを問うたひとりの人間に接続するはずだ。それでいけば、人類で最後の問いは、人類で最初の問いと同じものになることだろう。いやそうはならんやろ。この考えに正誤も真偽もないのだからそれはこの際どうでもいい。最初のひとりと最後のひとりだけが知っている問いって、ちょっとロマンチックだな。一体何の話やらという具合ではあるが、満足したので今回はこれでよしとしよう。