珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

甘くない干し芋と誰かにそれを期待しないことについての覚書|干した芋です

ほしいものリストにある干し芋

「この先ずっとひとつの食品しか食べられないとしたらなにを選ぶか」と問われれば率先して候補に挙げていいくらい干し芋が好きだ。秋はダイソー干し芋が売ってるので寄ったら必ず買う。そろそろ時期も終わりそうだしまとめ買いしたいのは山々なのだが、まとめ買いしても結局1日でなくなるので季節品であろうとまとめ買いはしないことにしている。干し芋にはだいたいスティックタイプと平切りタイプがあるが、断然平切りの方が好きだ。平切り干し芋特有のぐにぃ、ぶちん、むんにょ、もっちゃもっちゃという食感が好きだ。そう、食感がね。

 

その親芋はめちゃくちゃ甘そうですね

あれはもう去年のことだったか、期間限定ポイントを消化するためにauPAYマーケットを眺めていた私は、格安のお徳用干し芋を見つけて大層ホクホクしていた。芋だけに。それで届いたお徳用干し芋は確かに見たことないくらいのボリュームで、こんなたくさんの干し芋を貰える私はきっと特別な存在なのだと感じました。で、味はというと、ウン、β-アミラーゼを親の胎内に忘れてきた芋という具合であった。つまりが、ぜんぜん甘くなかった。しかし私は非常に満足していた。なぜなら、私は干し芋の食感が好きだったからである。

 

小学校の芋掘りで掘ったヒョロンヒョロンの茎っちょみたいな味

干し芋に面と向かって「別に私はお前に甘さを求めてるわけじゃないから」と言い放つのは酷なことであろうか。もしそれが甘さ自慢の上等な干し芋、たとえばシルクスイートとか紅はるかとか、そういった干し芋だったら、彼らは大いにプライドとアイデンティティを傷つけられた顔をして悲しむだろう。しかし「これは果たしてさつまいもと呼べるのだろうか?」と言いたくなるレベルの甘くないお粗末な芋からできた干し芋であれば、私の言葉にほっと胸をなで下ろすのではなかろうか。甘く美味であってこそ干し芋と言われて育ってきた彼らに、私は敢えて「そんなこと期待してないよ」と言ってやろうじゃないか。

 

期待されすぎて潰れて死ぬのと期待されなさすぎて膨れて死ぬのとどっちがマシなんでしょうか

「お前にそんなこと期待していない」と言われて傷つく人と安心する人と、ハッキリ分かれるだろう。傷つく人の方が多いかな?私もひょっとしたら最初は傷つくかもしれないけれど、一晩悲しんで、その後よくよく考えたら私はもうこれ以上頑張らなくてもいいのではないかと悟って、翌日は憑き物が落ちたような顔で生きているかもしれない。上の干し芋の流れをなぞれば、決して本人の全てに期待していないのではなくて、期待していないのはあくまで一部だけなのだから。一部というのがその種族にとって最たるアイデンティティともいえるもので、それを期待していないと言われるのはある意味で戦力外通告、解雇通知、死刑宣告、そういったものと同然かもしれないが、ある意味では牢獄からの解放を意味するだろう。現代人という種族にとって最たるアイデンティティってなんなんだろうね。どんなことについて「お前にそんなこと期待していない」と言われたら、傷つく人が最も多いのかな。

 

と……等身大!

私になにかを期待している人、少なくとも私に感じられる範囲にはいないので本当によかった。私の親は非常にいい意味であまり私に期待しない人だった。「今よりよくあれ」ということを全く言ってこない人たちだった。「今お前があるようにあれ」というタイプの両親だった。ところが大学生になって色々なものに色々と影響された結果、今よりよくあろうと努力すれば今よりよい人生が待っているということに気づいて、自発的に「今よりよくあろう」と努めたが、うまく行かずにこのザマである。そもそも今よりよくあろうとすること自体が私には不向きで、今あるようにあろうとする方が、ずっと向いていたのかもしれない。なるほど親は正しかった。あのとき今あるようにあろうとしていたら、今頃もっとマシな生活をしていたかもしれない。たらればの領域を出ないが。

 

過去の芋です

shirokuro-044.hatenablog.jp

shirokuro-044.hatenablog.jp

はぐろ、芋、好き

 

チーズも好き

ちなみにこの先ずっとひとつの食品しか食べられないとしたらの他の候補は、チーズ、ゆで卵、煮玉子、カニカマ、そんなところ。すごくタンパク質に寄っていてエライ。普段もそれくらいタンパク質に擦り寄って生活しろ。貧乏フリーターなのでおいそれと手は出せないのだが、チーズにはマジで目がない。以前人から貰ったベルキューブのチーズ、めちゃくちゃおいしかった。ただ単にキューブサイズにカットされたチーズかと思っていたが、全然そんなことなかった。旨味がすごかった。もう何年も前だが上等なチーズにハマっていたことがあって、すごく小さくて500円とか600円するチーズをホイホイ買っていた時期もあったのだ。なんで私あのときよりひもじい生活してるんですかね。

www.bel-japon.com

 

人類がもっと芋を干せば干し芋の値段が下がって私が幸せになる

当ブログはとにかく安くていっぱい入ってる干し芋の情報をいつでもお待ちしております。

 

 

f:id:shirokuro_044:20211022122025p:plain