ざっくり言って「ヒートテック」についての覚書｜自分が考案した固有名詞がのちのち実質的な普通名詞と化したらめちゃくちゃ興奮するだろうな

イオン「誠に遺憾である」

溜まっている洗濯物を洗濯機にぶちこむ。洗濯が終わる。洗濯物をひっぱり出す。ヒートテック。ハンガーにかける。ヒートテック。ハンガーにかける。ヒートテック。ハンガーにかける。ヒートテック。ハンガーにかける。ヒートテック。ハンガーに……ちょっと待ってくれ。なんでこんなにヒートテックが大量に出てくるんだ。干しても干してもヒートテックがなくならない。こんなにたくさん洗濯して、今夜着る分のヒートテックはあるのだろうか。ヒートテックがなかったら寒くて死んでしまう。そういえば大昔に母が持ってきてくれた新品がまだタンスに眠っているはずだ。お、あったあった。イオンのヒートテック。

ばんそうこうのことをあんまりばんそうこうって言ったことなかったけど、いつだったか馴染みのある言い方が誰かに通じなくて衝撃を受けて以来ずっとばんそうこうって言ってる

実を言うとユニクロのヒートテックは全体の6割くらいで残りの4割はイオンのヒートファクト(※)なのであるが、そんなことはどうでもいい。私がヒートテックって言ったらヒートテックなんだ。昔の我が家では母がラップのことをなんでもかんでもサランラップと呼んでいたので、幼い頃の私はラップの正式名称がサランラップなのだと思っていた。クレラップもサランラップ、ポリラップもサランラップ、無名のラップもサランラップ、なんでもかんでもサランラップだった、それと同じようなものだ。さらに母は拭き掃除に使う長い棒状の道具をなんでもかんでもクイックルワイパーと呼んでいたので、幼い頃の私は部屋を拭く長い棒の正式名称がクイックルワイパーなのだと思っていた。シートを付けて使う棒が全てクイックルワイパーなのはもちろんのこと、もじゃもじゃがついたモップのこともクイックルワイパーと呼んでいた。ばあちゃんがダスキンを利用していたので、普通に「ダスキンのクイックルワイパー」とか言っていた。世の中で大恥かく前に真実に気づいて良かった。

※イオンのヒートファクトは既に「ピースフィット」という名称に変わっている

ヒートテックって実質普通名詞じゃん？

その世界においての影響力があまりにも大ならば、模倣者・追従者がいくらいようとて、オンリーワンでいられるのだ。ヒートテックはまさにそのオンリーワンであるところの王者である。ナンバーワンであり、オンリーワンである。それによって得らるところのものは、なんと普通名詞になる権利だ。実際、冬場にシャツの下に着る薄くて伸縮性がよく保温を主たる目的とした衣類のことって、メーカーがなんであれだいたいヒートテックって言うでしょ。言わない？そう。ごめん。じゃあなんて呼ぶの？ピースフィット(イオン)？ボディヒーター(イトーヨーカドー)？ヒートインナー(ドンキホーテ)？発熱インナー(しまむら)？まさかZOZO HEAT(ZOZO)？通だね。

おおむね、ヒト

そのへんの、ある程度人慣れしている野良猫、もしくはカラス辺りに訊きたい。お前たちは服を着せられたチンパンジーを見て、「人」と呼ぶか？彼らから見れば、チンパンジーもオランウータンもゴリラもざっくり言って「人」かもしれない。かつて私の母がクレラップもポリラップも無名のラップもざっくり言って「サランラップ」としていたように。今の私がピースフィットもボディヒーターもヒートインナーもざっくり言って「ヒートテック」としているように。流石に動物同士なら匂いとか発する音とかそういうので察するだろうか？「あっこれ人じゃないやつや」って気づいたときの猫ってどんな顔するんだろう。

円満解決

天気予報もロクに見ないので、今年の12月が暖かいのか、常にヒートテック2枚重ねで生活しているせいで寒さを感じにくいのか、さっぱり分からない。まあどっちでもいいか。先日ダイソーで300円のレギンスを買った。仕事用のズボンはかなりぶかぶかなので、脚を入れる筒状の部分に冷たい空気が入ってきてそこだけめちゃくちゃ寒いからである。レギンスって、一昔前にめっちゃ流行りましたよね。えーっと、足首までのタイツみたいなやつでしょ。足首まである必要はないのかな？でもそれってスパッツじゃない？でもスパッツってせいぜい膝上くらいじゃない？じゃあ膝から脛くらいのスパッツってなんて呼ぶの？レギンスでいいの？ショートレギンス？ロングスパッツ？あとトレンカっていうのもありますよね？あれ何？わかんない。おしゃれは難しい。レギンス、タイツ、スパッツ、トレンカ、まとめてざっくり「ももひき」でいいか。

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