ワンオペレイターのオペレッタについての覚書|これを喜劇と呼ばずして
意識が遠のいたり戻ったりしろ
エライさん「本日重要なお話がありまして」
わたし「はい」
エライさん「実はこちらの店舗来月から深夜は無人営業となる」
わたし「(意識が遠のく)」
エライさん「予定でしたがそれには私とマネージャーが断固反対したので無人営業はやらないことになり」
わたし「(意識が戻る)」
エライさん「その代わり深夜は1人でこちらの店舗と近隣店舗の2店舗同時に面倒見てもらうことになりました」
わたし「(意識が遠のく)」
人間動物園から飼育員がいなくなったらどうなるかって話よ
本社の人間は気が狂っているのか。周辺を飲み屋に囲まれた繁華街で深夜無人営業て。周辺の飲み屋はキャバクラや小さいスナックも含めれば優に100店舗を越すのではなかろうか。コロナ禍ですら酔っぱらいが絶えないような繁華街で一晩中無人営業て。受付で暴れたり突然叫び出したり通路で寝っ転がったりゲロ吐いたりウンコ漏らしたり他の客と喧嘩したり金を払わず逃げたり警察に連れて行かれるような客が日常的に存在する時間帯に無人営業て。あまりの意味のわからなさに混乱して梅雨時でも起こらないような酷い頭痛がしてその後メチャクチャ具合が悪くなって体温を測ったら熱が出てて笑った。
△まさに世紀末 ◎いつも世紀末
さらに笑ったのが、エライさんからその話を聞いたわずか数時間後、すぐ近くで事件があったとかで、警察が代わる代わる3べんもやって来たことだ。不謹慎だけどバックヤードでゲラゲラ笑ってしまった。ほら見たことか。ほら見たことか!!こういう治安なんだぞ!犯罪は自然発生するんじゃない!人が起こすんだ!人がみんな物分かりのいいお利口さんだと思ったら大間違いだ!そんな世の中なら警察なんかいらないんだ!本社の連中は客から死ねと言われたことはあるか?客に殴られかけたことはあるか?腕を掴まれて強く引っ張られたことはあるか?チンチン丸出しの客に出くわしたことはあるか?床にこびりついた人間の血を掃除したことはあるか?勤務中に生命の危機を感じたことはあるか?人の皮を被った怪物を見たことはあるか?たまたま人の形をしているだけのおぞましい何かを見たことはあるか?ないだろう?私はある!!!!!
あと3年ちょい働いたら貯金が目標額に行くんだよそれまで頼むよマジで
とはいえエライさんとマネージャーのファインプレーにはただただ感謝するばかりである。いくら頭を下げて感謝してもし尽くせない。私は危うくお役御免になるところであったのだから。しかし本社の人間が乗り気じゃない以上、いつ暇を取らされてもおかしくないのだ。そうなったら無理矢理日中のシフトにねじ込んでもらうか、それが叶わなければ新たなバイトを探すしかない。現状、私の生活は辛うじて守られている。しかし1年後にはどうなるか分からない。私は私の平凡な生活を守りたいだけなのに。あ?ああ。ああそうだ。かなしいかな、私は自己の生活、自己の保身を第一に考えるが故に気が遠くなったり熱を出したりしたのであって、善良な客の身の安全が脅かされることに対する懸念から気が遠くなったり熱を出したりしたわけではない。断じてない。べ、別にお客様のためなんかじゃないんだからね。うんたらかんたら。
どーでもいいんだけど
エライさんのことをエライさんと呼ぶとなんだかエラそうな人に思われてしまうので、なにか別の名前が欲しい。少々前の記事に登場したあのエライさんである。エライさんは涙が出るくらいめちゃくちゃいい人なのだ。いい呼び名が思い浮かばないな。ウーン。まあいいか。エライさんはエライさんだよね。
1人で2店舗同時に回さなきゃならないことについては
なんかもうどうでもいいや……
2店舗間をひとりでテクテク行き来しながら仕事するってなかなか愉快だな 途中でコンビニ寄ってもバレなさそう