10分後に死ぬハンドクリームについての覚書|壺のなかのハンドクリームを手指にすっかり塗ってください
ア゜゛はOuchのア゜゛
入口のお姉さん「入店時のアルコール消毒にご協力くださーい(スプレーを構える)」
私「えっあっはい(つい反射的に手を差し出す)」
入口のお姉さん「はーいありがとうございます!(私の手にアルコールを噴射する)」
私「ア゜゛」
帰りもアルコール噴射されるのかとビクビクしていたが帰りはされなかった お姉さんありがとう
とうとう強制アルコール噴射社会になりつつあるのか。おててボロボロマンに人権なくなってしまった。ウウ。自分が店に来た目的が一瞬で頭から吹き飛んだしそもそも目当てのブースの開店時間まで1時間以上あるという体たらくでそのまま何も買わず店を後にした。手と胸の痛みだけが残った。今のご時世これは非常に言いづらいのだが、私は年中手がボロボロでアルコールがクッッッソ滲みるので、店頭に置いてあるアルコールスプレーは使わない。使いたくても使えない。使えるもんならちゃんと使っている。しかしボロボロのおててにアルコールをかけるとボロボロのおててがさらにボロボロになって、仕事はもちろん日常生活すらままならんほどにおててボロボロのいたいいたいになるのである。一時期は風呂に入るのにも顔を洗うのにもゴム手袋を装着していた。昔はこんなんじゃなかったのになあ。ハンドクリームを塗れども塗れどもおてては砂漠。皮は剥けるしヒビは入るし血も垂れる。それでも元が洗い物や掃除の多いバイトなのでおててはこまめに洗わねばならぬ。丹念に擦り込んだハンドクリームも10分足らずで流れていく始末。それでも塗らずにいられないのがおててボロボロマンのサガ。
このときマジで地獄だったからね おててグログロの写真あるから是非とも載せたいけど載せたらこのブログがR-18Gになっちゃう
なんなら私が永遠に寝ているからガーゼとサージカルテープが代わりに労働していいよ
とはいえ現在はかなりマシな方で、1日の絆創膏消費量は10枚程度で済んでいる。手袋が無くてもお風呂に入れる。ガーゼとサージカルテープも今のところさほど必要ない。たまに使うけど。手荒れがヤバすぎたときに買い込んだガーゼとサージカルテープがだだ余りしている。使わないまま眠らせているのも勿体無いが、勿体無いから消費するために手荒れしてほしいと宣うほど気が狂ってもいないので、このままおとなしく眠らせておくことにする。願わくば、彼らがそのまま永遠の眠りにあらんことを。
おかーちゃんが私に植え付けた最大級のトラウマ
今は塗った10分後に洗い流してもぜんぜん惜しくないハンドクリームを探している。とにもかくにも安くていっぱい入ってて刺激が少ないやつ。やっぱりニベアの青缶かな?ヴァセリンもいいかなと思うけど、あれはザ・油なので、バイト中に使うとあちこちに油が付きそうで都合悪いし、自宅では本が持てなくなりそうで辛い。昔は手に薬を塗ったのちビニール手袋をして本を読んでいたが、ページがめくりづらすぎるのとそもそもビニール手袋が蒸れるし擦れて痛いのでやめた。薬局に行くと塗る絆創膏なる商品がいくつかあるが、あれは私が小学生の頃母がよく使っていて、毎度鶏の首を雑巾絞りしたような声で滲みる滲みると言っていたのが記憶にこびり付いているせいか、怖すぎてどうしても使う気になれない。おかーちゃんはそれを使うときいつも「ア゜゛」みたいな声を上げていた。悲鳴って遺伝するんですね。子供心に「そんなに滲みるならいっそ塗らないほうがマシなのでは?」と思っていたが、黙っていた。あれから20年くらい経ったわけですが、最近の塗る絆創膏ってどう?やっぱり滲みるのかな?
今試験的に使ってるのがコレ
現段階の評価は可もなく不可もないようでちょっと可もあるかもしれない程度
自らの手で成したものを自らの手で崩す瞬間はいつも悲しい
病院で貰ってたハンドクリームに似たハンドクリームが最近ドラッグストアでも買えるようになったけどちょっとしか入ってなくて1200円とかするし高すぎて買えない。悲しい。だってどうせ10分後には流さないといけないんだから。悲しい。分かっていても塗らずにはいられないんだから。悲しい。どうせ10分後には崩されると分かっていてそれでも河原で石を積み上げる子どものようだ。悲しい。誰か私のおててと賽の河原の子どもたちを守って。どうせ10分後には水道管の中を流れていかなきゃいけないと分かっていてそれでも私のおててを保護しようと懸命に努めてくれる健気なハンドクリームのことも守って。誰かみんなのことを守って。
そもそもおててがない生き物 楽園の蛇とか
洗礼者でさえおててで水を扱わねばならない 来世はおててで水を扱わなくてもよい生き物に生まれよう