珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

四季を自給自足する覚書|四季折々の屍鬼居り居り

結局エチゼンオオクラゲっておいしかったんだろうか

生きてるだけで苦痛な冬を越し、生きてるだけで不快な夏に向かって世界が爆進し始めた。もうだめだ。いやまだだめじゃない。春があるから。でもだめじゃないのは春のうちだけで、それも越すともうだめだ。人によっては花粉症があるので春もだめだ。だめじゃないのは秋くらいだ。それを越すともうだめだ。年によっては台風がアホみたいに来るので秋もだめだ。我々が四季を楽しむとか言ってるのはアレだ、野生で増えすぎて人に害を及ぼすようになった生物に対して「どうせいっぱいいるんだから片っ端からとっ捕まえてどうにかうまいこと料理して食ってやろうぜ(怒)(怒)(怒)」って言ってるようなものなのだ。どうせ苦痛だったり不快だったりするんだから綺麗な景色とかそういうのを片っ端からとっ捕まえて楽しんでやろうぜ。あっ、楽しんでやろうぜ(怒)(怒)(怒)。

 

四季くんたまにはイメチェンしな~

常々感じているのは、ヤケクソにでもならないと四季を楽しめなくなったなあということ。イエーイ!!春!!!花粉!!花粉すごい!!始まりの季節!!なんかもうクッソ忙しい!!新しい環境!!!新しい仲間!!出会って5秒で気に食わないアイツ!!!いつか上司になってこき使ってやるからな!!でも桜きれい!!お団子おいしい!!5月は……5月病!!!イエーイ!!!……これくらいヤケクソにならないと四季なんて楽しんでられないんだ。油断するとすぐ四季の悪いところしか見えなくなってしまう。春、花粉ヤバイ、夏、暑さヤバイ、秋、台風ヤバイ、冬、寒さヤバイ、毎年この繰り返しですよ。

 

大人って落ち着きがないね 子供を見習いなよ

子どもの頃は、大人たちの手で丁寧に摘み取られた四季を正しく与えられていたので、特段苦労しなくとも四季を味わうことができた。春は桜の季節ですよ、お花見しましょうね、クラスが変わりますよ、ドキドキしますね、菜の花がいっぱい咲いていますよ、おひたしにしましょうね、たけのこも生えていますよ、やっぱりきのこよりたけのこなんだよなあ、などなど。とにかく、我々が口を開けてお利口に待ってさえいれば、あんぐり開けた口の中に、大人が春を突っ込んでくれたのだ。種々の解説を交えながら。それで、我々はそれをもぐもぐして、なるほどこれが春の味、と神妙な顔して味わいつつ、ときどき無邪気にはしゃぐフリさえしておれば、それでよかった。どっこい!大人はね!春をおいしく喰いたいと思ったら!自分で狩りにいかなきゃいけないの!自分で!野を駆け!山を巡り!己の手で春を狩って!己の手で春を食す!大人は狩猟民族なの!待ってるだけじゃ春は過ぎ行くばかり!なんやかんやと理由をつけて狩りを怠っているうちに!春は過ぎ、夏も過ぎ、秋も過ぎて、冬もまた……

 

よくある光景です

最初は四季のいいとこばかりたくさんたくさん見えていたのに、年月を経るにつれて段々四季の悪いところが目に付くようになって、四季ってやつは、年柄年中勝手に家の中に転がり込んではグータラして、ちょっと動いたと思ったらやれ暑さだのやれ寒さだのと至らぬことばかりしでかして、口を開けばやれ花見弁当持って来いだの、やれ栗を剥け芋を焼けだのそればっかりで、ハァー、まったく、来週の粗大ゴミの日にでも出してやりたいわ。とはいえそうやって文句を言うのが日課になってるから、粗大ゴミの日に出したら出したで、文句が言えないという文句を言っているんだよなあ。四季が居なくったら居なくなったでグチグチと文句を言うんだ。居るようで居ないけどやっぱ居なくもないくらいの存在になってほしい。四季。

 

好きな四季は特にないけど

あったかくて静かな夜がこのままずっと続いたらいいのにな

 

 

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