珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

勇者失格についての覚書|私はこれまで、こんな不思議な勇者の顔を見た事が、めっちゃある

假暇

仮に、仮にですけど、仮に1ヶ月の長期休暇が貰えたとして、丸々1ヶ月の休暇でこの疲弊しきった肉体と精神が回復する見込みがあるかって言われると、ウーン、わりとある

 

最後にオイシイとこ全部持っていくのが勇者 最初から最後までゆっくりじっくり時間をかけてオイシイとこ全部持っていくのが社会

丸々1ヶ月も休みを貰えて、それを全て休養に充てられたのなら、さしもの私もある程度は回復するだろう。もちろん完全回復は無理だ。ムリムリ。どんなによくても80%は超えないだろう。どうしても回復しなかった20%が天使の分け前ならぬ社会の分け前ってやつだ。社会が持っていくの。労働中に体力や気力が蒸発し、最終的に人間の総量が目減りすることを、社会の分け前っていうのよ。

 

天界組

何ヶ月休もうが何年休もうが何十年休もうが何百年休もうが、蒸発した体力や気力は一生戻らないだろうと胸を張って言えるようになったとき、私は一体どうなってしまうのだろう。この蒸発には加齢によるものは含まない。だってそれは社会の分け前じゃないから。年を取ることで体力や気力が徐々に蒸発していくのは、アレだよ、天使の分け前だよ。天使が神様の名前を後ろ盾に人間から持っていくの。で、それを神様に納めるの。神様の元に集まった人間の体力や気力がどういう扱いを受けているかというと、神様がランボルギーニ乗り回すための資金……ではなく、ここより優れた世界をイチから作るための資金になってます。人類誕生から今日まで、目眩がするくらいの体力や気力が天使を通して神様の懐に収まったんでしょうけど、世界をもうひとつ作るにはまだまだ足りないみたいですね。

 

スーパーまろうじん

話を戻そう。突然だけどオッス!オラ年寄り!ヨボヨボすっぞ!自分と同じような人生を歩んできた年寄り連中は若い頃の20%くらいを持っているが、自分はどうも5%くらいしか持ってないらしい。これまで体力を損なうような大きな病気や怪我はしたことがないし、気力をすり減らすような出来事にも遭遇してない。どうして自分だけこうも余分に蒸発しているのか、まるきり見当がつかない。ここ40年くらいで一体何をしてきたかって……別に……強いて言えば、労働くらい。でもみんなだって、労働はおんなじくらいやってきたはずだ。ウン?じゃあ労働が悪いわけじゃないのかな?そうだそうだ!労働は悪くない!敢えて言うならばそう、ええと、あー……あっ!そうそう、労働を悪いと思っているやつが悪い!労働を悪者にしたがるやつが悪い!労働に全ての原因を押し付ける一方で自分のことは一切顧みようとしないやつが悪い!オッス!オラ年寄り!最近は耳が遠くて何も聞こえねえ!

 

へなちょこ

日頃からファッキン労働って言ってるけどそれを行動に移さないぶん、私は利口だと思う。実際に労働を倒しに行こうとしないぶん、私は利口だと思う。なぜって労働を倒したら生きられなくなるじゃないですか。労働者はみんな魔王からギャラ貰って生活してる勇者みたいなモンなんですよ。勇者だから魔王を倒さなくちゃいけないの。でも魔王を倒したらギャラが貰えないの。ギャラが貰えないと生活できないの。だから倒しちゃだめなの。我々は憂さ晴らしに魔王の手下共をぶん殴りつつ、ネットで魔王の悪口言うくらいが関の山なの。はーつっかえ。やめたら勇者。