珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

ある気の毒な猫の行方についての覚書|アシタカ式平和術

曲がり角から突然現れた私にびっくりして慌てて逃げ込んだ民家の庭でそこの飼い犬に吠えられてた野良猫ほんとかわいそう

まるで人の生みたいだ

 

リアクション芸人みたいな野良猫好きだよ

いやごめんて。ごめん。でも正直笑った。笑うわあんなん。私の側からすれば、「おっ野良猫!カワイイ!」くらいの気持ちだったのだが、猫の側からすれば「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」って感じだったんだろうなあ。んで、大慌てで門扉くぐって逃げたはいいがその先にはなんと犬がいで、まあそら吠えられますわって。犬の側からすれば、「あ゛!?なんだテメエ!やんのかコラ!」くらいの気持ちだったんだろうが、猫の側からすれば「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」って感じだったんだろうなあ。猫はただ小道でひなたぼっこしてただけなのにね。泣きっ面に犬。人間去ってまた犬。人間逃れて犬口に入る。はー。今思い返してもほんと……笑うわあんなん。

 

吾輩は猫である独自ドメインはまだ無い。

犬から逃れた野良猫、次はどこに行ったのかしら。猫は強いから、きっとまた安住の地を求めてあの辺りを冒険するのだろう。もしも私だったら、アレだね、「この世はクソ!!!!!」とか「ファック!!!この世界には敵しかいねえ!!!!!」とか喚き散らしながらどこかへフェードアウトしてしまうでしょうね。それかブログを書きます。「私はただ一匹で静かにひなたぼっこをしていたかっただけなのに、いきなり人間が飛び出してきたかと思ったら、逃げ込んだ先で犬に吠えられました。どちらも自分より大きな存在に飼われているという点では同じ生き物です。一方、私は野良なので、何にも飼われていません。自由です。あいつらよりもずっとずっと自由で、そのためあいつらよりもずっとずっと優れた、選ばれし生物なのです。なのに……なのにどうして私を邪魔する権利があいつらにあるのでしょうか?誰にも邪魔されずにひなたぼっこができる世界に行きたいです。ごはんの心配をしなくていい世界ならなお嬉しいです。」みたいなことを、書きます。

 

人間の内ゲバの話じゃなくて生物の一般的な話をしています

話は変わりますが、ときどき大真面目に思うんですよね。ひとつの惑星の上にこんなにたくさん分かり合えない生き物を置く必要があったのかって。もうちょっとこう……もうちょっと分けてもよくなかった?って思うんですよね。大真面目に。地球が7個くらいあって、それぞれ完全に分かり合えるとまでは言わないけどまあそれなりにやっていけそうだよね、くらいのチョイ似たもの同士をそれぞれ置いておけば、みんなもっと幸せだったよね。進化とか遺伝とか淘汰とか環境とかそういう小難しい話は一旦抜きにしてですよ。私なんかもう10月になったというのに相変わらずゴキブリと激しい戦いを繰り広げているけど、ゴキブリだって人間とバトルしたいわけじゃないだろうし、それなら人間がゴキブリのために惑星をひとつ作ってあげるから、そこでみんな平和に暮らしなさいや、こっちはこっちで平和にやるから、って思うわけですね。

 

私は生物学の難しい話はサッパリ分からんが、上のような理想は所詮夢物語の域を出ない、ということだけは分かる。人間は人間専用の地球に住まって人間だけで平和に暮らし、ゴキブリはゴキブリ専用の地球に住まってゴキブリだけで平和に暮らすってのがそう簡単な話ではないということだけは、分かる。もしもここが人間専用の地球で、人間以外の生き物がおらず、人間と植物だけで生態系が完成していて、故に人間が動物性の栄養素を必要としない完全な草食動物だったら……いやまてまてまて。どうしてそこに植物がいるんだ?植物だって、人間と住み分けしたいと思っているかもしれないじゃないか。「我々植物は植物用の地球で暮らすから、あなたたち人間は人間用の地球で暮らしてくださいよ」って言われたら、我々に拒否権はないんだぞ。しかしそこで了承するわけにはいかないんだ。地に額擦りつけて彼らの根っこを舐めてでも、植物さんにはいてもらわなくちゃ。それならプランクトンにもいてもらわないと困る。他は?他にいてもらわないと困る生き物いる?えーと……えーと……

 

アダムって概念の使い勝手が良すぎて迷ったときのめんつゆくらいの感覚で使ってきたつもりだったけど過去記事検索したらまだ4回しか使ってなかった

人間も犬も猫もゴキブリも植物もプランクトンもない、ありとあらゆる生き物が量産型アダムだったらよかったのかしら。我々の同族はアダムで、庭先に飼われてるのもアダムで、小道でひなたぼっこしているのもアダムで、部屋の隅を駆け回っているのもアダムで、光合成をしているのもアダムで、死骸が石油になるのもアダムだったらよかったのかしら。怖。全てが同じ顔、同じ声、同じ体、同じ性格、同じ遺伝子、完全完璧な、1人の製造ミスもない、パーフェクト量産型アダム。もちろん、アダムといっても人型をしている必要はまったくないですよ。犬の形をしていてもいいし、猫の形をしていてもいいし、ゴキブリの形をしていてもいいし、何らかの植物の形をしていてもいいし、何らかのプランクトンの形をしていてもいいし、とにかく、パーフェクト量産型ならなんでもいいんです。

 

何を今更

地球上には人間以外の生き物もわんさといる中、人間同士ですら分かり合えないし、それどころかちょっとした住み分けさえもロクにできてないってのに……という表現はいささかアレだな、まるで人間同士分かり合うことが、犬や猫やゴキブリや植物やプランクトンたちと分かり合うことよりも簡単だとでも言いたげな口ぶりだな。別にそんなことはない。これはとっくに皆様ご存知だと思うが、同族同士が、たぶんいちばん難しい。

 

 

この画像ほんとこわい