体調が優れないし体調は優れないし体調も優れないしこうして永久に帰れない私についての覚書｜致命傷にデスソース塗りこめるのやめてもらっていいですか

「体調が・優れない」っていうけど

代わりに優れてるとこある？

つくづく日本語はニュアンスの言語やな

うるせ～～～～～！！！私は体調が優れない。体調が優れないんだ。文句あるか。体調が優れないという言葉に一点の嘘偽りもない。誓ってだ。しかし……いや、私はやはり、こう言い直さねばならないのだろうか？「体調も・優れない」と。だって他に、優れないところいっぱいあるし。逆に訊くけど私さんに優れてるところってある？？？

私に言ってるんですよ

ところで、仮に日常会話において「ハァ～～～体調も優れないわ～～～」などと発言した場合、相手が耳ざとい人ならこう尋ねてくるであろう。「体調も？他に優れないところがあるの？」と。そんなこと訊かれたらどう答えてやろうかな。正直に返すなら「ハイ！！！ありまァす！！！学力と体力と顔面と体型と学歴と職歴とコミュニケーション能力等が優れません！！！」ってなるんだけど、そんなこと言ったって相手を困らせるわ気を遣わせるわ場の空気がおかしくなるわで、発言通り「コミュニケーション能力に優れない」ことを証明するだけで終わってしまう。コミュニケーション能力に優れない→コミュニケーション能力に優れないから面白い話が出来ない→面白い話が出来ないから自己肯定感が低い→自己肯定感が低いから自虐ネタだけは多い→自虐ネタだけは多いから自虐で笑いを取りに行こうとする→自虐で笑いを取りに行こうとするから場の空気がおかしくなる→場の空気がおかしくなるからコミュニケーション能力に優れないことが証明される、というわけですね。泣かないでください。

これだから人間の育成は難しいのじゃ　保育園に通う前の子供の優れているところを把握するのは並大抵のことではないし保育園に通う前の子供に自分の優れているところを把握させるのは至難の業どころではないのじゃ

自分の優れているところ、社会集団の中に放り込まれる前に把握しておくべきだと思うんですよね。つまるところ小学校に上がる前に、欲を言えば保育園に通う前にです。社会集団の中に放り込まれると、優れている人間に囲まれて、自分の優れていないところばかり目につくようになりますから。ひとたび「あ、自分って優れていないんだなあ」と自覚してしまえば、そこから自分の優れているところをたくさん探そうと思っても手遅れです。見つからないとまでは言いませんけど、絶望的に時間がかかります。正しくは、自分の優れているところを見つけてもそれを認めてあげるのに時間がかかるわけです。自分は算数が得意。そう思ってる。実際、テストの成績はいいし。先生も褒めてくれる。でも……本当か？本当に、自分は算数が得意なのか？計算の速さならAちゃんの方がすごいし、テストの点数ならBくんの方が高いし、Cちゃんは図形問題に無敵だし、Dくんは人に算数を教えるのがべらぼうにうまい。ウーン、自分は……特別突き出たところはなくて……無難にできるって感じ。それでも隣のクラスのEちゃんFくんには敵わないわけで。本当に、自分は算数が得意なのか？

私は最強

うるせ～～～～～！！！自分は算数が得意。自分は算数が得意なんだ。ゴチャゴチャ言ってないで自分は算数が得意ってことにしときな。ハイ復唱！『自分は算数が得意』！こういうのは所詮、認めたもの勝ちなので。自分の優れているところを自分で認めたもの勝ちなので。自分は算数が得意！！！申請！！！ハイ承認！！！って感じで、さっさとGOサインを出してやればいいんです。申請書を頭の中でこねくり回している限りにおいて、そこに不正だの自分贔屓だのと外からやいのやいの言ってくる人間なんていませんからね。自分以外。野次を飛ばしてくる自分は首を掴んでキュッとしてやりましょう。