全自動こねくり回し機についての覚書｜返品しろ

Kuso-no-yakunimo-tatanai　Simurator

面倒ごとってのは勢いでやるに限るな。勢いで。もうちょっと言葉に具体性を持たせるなら、事前に深く考えずに、やる。事前にあれこれ頭の中で考えるから面倒ごとの面倒具合がより増すんですよね。ありませんか？面倒ごとに着手する前に、面倒ごとをやっている自分の姿を頭の中で延々シミュレートしてしまうこと。「私はこれから面倒ごとに取り組むのだ、面倒の手順は以下の通り、まずああやってああ面倒、次にこうやってこう面倒、それからそうやってそう面倒……」という想像が、頭の中で延々繰り広げられること、ありませんか？あれやるからね、面倒ごとが更に面倒になるんですよ。面倒ごとのために体を動かすだけでも面倒なのに、それに加えて面倒ごとのために頭まで動かしてますからね。そら面倒倍増になりますわ。だからね、そういう無益なシミュレーションが頭の中で始まってしまう前に、身体を動かすの。そうすれば面倒は一倍で済むんですよ。

そこまで分かってるくせにどうして実行しないんですか？

面倒をなくす方法を意識して実行するのが面倒やねんな……

転生して世界最強の勇者になったりチート賢者になったりするよりも「転生したら月収60万だった件」とかの方がよっぽど嬉しい

そうそう。そうなのよね。真の面倒くさがりは、面倒をなくす方法を意識して実行することすら面倒くさがるのよね。意識しないで実行したい。もしくは意識して実行したくない。意識を失っているうちに何もかもが実行されておりそれでいて恙なく完了していてほしい。そんな感じ。意識を失っているうちに面倒ごとの全てが完了していたらどれだけいいことか。誰か私をぶん殴った上で面倒ごとを代わりに実行してくれませんか？え？トラックに？トラックに轢かれたらだいたい解決するって？人生が完了するから面倒ごとの全ても完了するって？トラックに轢かれたら異世界転生しちゃうかもしれないだろ！いい加減にしろ！

お前の人生じゃろがい！

物事を実行する前にそれをいちいち頭の中でこねくり回さない人の頭の中を覗いてこねくり回してみたいですね。どうなってるんだろう？私は物事を実行する前にそれを何時間も何日も下手すれば何ヶ月も何年もこねくり回さないと行動に移せない性分なんですけど、そのお陰で頭の中には発酵を超えて完全に腐敗した物事がいっぱい溜まっていて、ここまで来るとそれらをどうやって捨てればいいのかさえも分からないんですよね。腐敗して情熱が失せたアイデアばかり頭の中に溜まってる感じです。実行する前に全部ダメになっちゃう。今はパン焼きたくて仕方ないとか言ってるけど現状まだ何もしてないし、下手するとこれも頭の中でこねくり回しているうちに「パンを焼く……？そんなことも言ってたな……ウーン……もういいかな……なんかこう……あんまり興味なくなっちゃった……」ってなってしまいます。こうなる前に！！！こうなる前にパンを！！！焼くんだよォーーー！！！

そうだよ(無慈悲)

やらなきゃいけない面倒ごとですらロクにやらないんだから、やりたい面倒ごとくらいこねくり回さずにサッサと着手した方がええんじゃ。大丈夫、逆じゃないです。私の人生だし。大丈夫です。イヤ待ってそもそもやりたい面倒ごとって何？？？あなたはやりたいことさえ面倒ごとに分類してしまうんですか？？？あなたの中では唯一「何もやらない」こそが至上なのであって、「何もやらない」の前ではやりたいことさえも面倒ごとの類に堕落してしまうというのですか？？？

神様だって今頃「もっと直感を信じて作ればよかったな……」って思ってるよ

面倒くさくなる前にやる。そうそう。面倒くさいという感情(？)が沸き起こる前にやる。そうそう。頭が勝手に物事をこねくり回し始める前にやる。そうそう。頭の中の全自動こねくり回し機の電源を切っておく。そうそう。人間の頭の中の全自動こねくり回し機の性能なんてどうせ大したものじゃないんだから。そうそう。神様の頭の中の全自動こねくり回し機の性能だってたかが知れてるでしょう。なんてったってほら、そこから生まれたものが、この世界なんですからね。