トマトに始まり幻獣の尾っぽの干物で終わる覚書|この世の全てが円環で出来ていたのなら最後尾も最前列もなくて最後も最初もなくて終わりも始まりもないのになあ
よくわかるトマト適正一覧(私調べ)
トマト果肉(生)→×××
トマト果肉(加熱)→×
トマト果肉(乾燥)→×××
トマトソース→○
トマトケチャップ→◎◎◎◎◎
トマトジュース→△
トマト煮込み→◎◎◎
トマトスープ→○
トマトピザ→×
トマトサラダ→×××
トマトサラダ(トマト抜き)→○
なるほどね
私ケチャップを食パンに塗って食べるのが好きで、というかケチャップが好きで、今日の晩ごはんはケチャップよと言われてもまあギリ許せるかなって程度にはケチャップ大好きなんですけど、その主原料たるトマトはマジで食えないんですよね。小学生の時は給食にミニトマトが出るたびに昼休み終わるまでずっと居残りしてました。そういうときの居残りメンバーって基本同じ面子だから、だいたい仲良くなりますよね。えーっと名前はそう、確かアキヒロくんとアキヒロくんでしたね。ミニトマト食えないアキヒロくんが2人いましたね。ポケモンのヌオーに似てる方のアキヒロくんと、ニャンちゅうに似てる方のアキヒロくんですね。他にも何人かトマト苦手な子はいましたけど、だいたい昼休み終わる前になんとか食べきって教室を出て行ってしまうんですよ。ガチで食えないのは私とアキヒロくん(ヌオー)とアキヒロくん(ニャンちゅう)くらいでしたね。
参考画像
ヌオー
決して振り返ってはいけない
「一緒に居残りしようね」って言ってた子がそのうち覚悟を決めて鼻つまんで数回雑に噛んで牛乳と一緒に無理矢理飲み下して給食のトレーを片付けて「ごめんね先行くね」って教室を出て行くのを見ることほど辛い経験もなかったな。持久走で「一緒にゴールしようね」って言ってた子が終盤に「ごめんね先行くね」って走って行っちゃうアレくらい辛いですよ。ええ。鼻つまんで数回雑に噛んで牛乳と一緒に無理矢理飲み下せば完食出来る程度でトマト嫌いを名乗るなって子供心に思ってましたね。ファッショントマト食べられないやめろ!!!って思ってましたね。ファッショントマト食べられないってナニ???いいですか、トマトが食べられなくて居残りすることは遊びじゃないんですよ。こちとら貴重な昼休みの45分全てを賭けて居残りしてるんですよ。我々はいつだって『本気』なんですよ。それが……それがこう……最初の20分くらいで……ハァ……なんて情けない……
まるで世間には私が見えているような物言いをしますね
しかしまあ、本気で取り残されるというのもそんなに悪いものではありませんよ。全力で置いてけぼりにされるというのも。全身全霊をかけて落伍するというのも、そんなに悪いものではないのです。どうせ取り残されるなら、本気で取り残されてやろう。どうせ置いてけぼりにされるのなら、全力で置いてけぼりにされてやろう。どうせ落伍するのなら、全身全霊をかけて落伍してやろう。そんな気分もオツなものです。世間ではこういうのを「ヤケクソ」とか「捨て鉢」とか「やぶれかぶれ」とか「自暴自棄」という言葉で呼ぶのでしょうが、生憎その瞬間の私は世間の遥か後ろに取り残されているので、彼らがそれをどう呼んでいるのか知る術はありません。世間が私を指差して笑う声も聞こえませんし、私を指差して笑う姿も見えません。何故ならその瞬間私は世間の遥か後ろに取り残されているからです。
キマイラの場合尾っぽが蛇か竜かによって売却価格に天と地ほどの差が出そうなものですが
世間が山の頂上の景色を満喫して下山しているとき、私はまだ山を登り始めたばかりです。ですから、下山している彼らの姿が見えないのは当然です。彼らは私の眼前に広がる上り坂の終点の、その向こう側にいるのですから。それで、彼らの姿が見えないことに焦り……焦りは……しませんね。多分。むしろ彼らの姿が見えないことに安心さえ覚えるのではないでしょうか?焦るとしたら、彼らの姿を辛うじて視認できる状態にある人の方だと思います。彼らが山の半分以上を下り終えたのに、自分はやっと下り始めたばかりで、目を凝らせば遠く遠くに彼らの姿がゴマ粒のように見える。恐らくそういう時がいちばん焦ると思います。このように焦っている人と比較して、私はなんと優雅に取り残されていることでしょう!「最後尾のそのまた後ろ」って日本語としてヘンな感じがしますが、「最後尾のそのまた後ろ」は存在します。そこには世間の目には映らない幻の尾っぽの先端があります。多分幻獣かなんかの尾っぽです。キマイラとかバジリスクとかそんなんの尾っぽです。干物にして高く売りましょう。