珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

七十七億人ぼっちの人間についての覚書|人は常に正しさの周縁をぐるぐる運行しているだけ

今の地球人類のやり方が正しいか間違っているかなんて誰にも分からない

人間が出来ることって結局「人間ごっこしか無いんだな。だって……皆さん、正しい人間のやり方って分かります?私は色々やり方がありすぎてちょっとよく分からないですね。どの辺りから分からないかというと、「いち国家の正式な成員であるべきかどうか」「現代社会に属するべきかどうか」とかその辺りから分からない。国家や社会の恩恵を山ほど受けておきながらこう言うのもナンだが。人間は、幸いにも正しい人間のやり方に沿って国家や社会なるものを形成してきたのか、それとも間違ったやり方を突っ走った挙句に国家や社会なるものを形成してしまったのか。時々、野生動物のように「人間の群れ」を形成して、あたかも野生動物の群れがそうするようなやり方をやってみたいと考える。その場合、言うまでもなく私が愛するいくつかの素晴らしい書物とも出会いようがないし、当然ブログなんか書いてないし、そもそもこんなことを考えつきもしないのだろうが。

 

△生物の頂点に君臨している ○他の生物からハブられてる

人間のみが理性を有していること、人間がその他の生物に比べて膨大な選択肢を持っていること、人間が建前上は自由であること。これらのことから、人間が唯一のやり方を持たないただ唯一の生き物であると一応言っておこう。して、もしかすると、唯一のやり方を持たない人間は地球上で唯一の不幸な存在なのかもしれない。自然界の動植物が、およそ決まったことを、決まった時期に、決まったようにやる姿を見ていると、人間より遥かに洗練されているなあと感じることがある。創作によくあるディストピア風の超管理社会、あれはおよそ決まったことを、決まった時期に、決まったようにやらされている人間の姿を描いたものであるから、表面上は極めて人工的・機械的・先進的(?)である。しかしその本質は、生き物の中で唯一仲間外れにされた人間が、みんなのいる自然界に混ぜてもらおうとする働きなんじゃないかとさえ思う。ところで猫は、少なくとも私が見る限り、猫らしいことをやろうとして苦心している風には思われない。人間が人間らしいことをしようと四苦八苦しているその横で、猫はあまりにも猫をしている。

※この点について、個人的には、人間が持っているのは理性ではなく理性に似た何かだと思っている。

 

カラスはいつ見ても「我々は人類を監視しています」って顔してる

人間は、人間の次に賢い動物と比較しても、むちゃくちゃなほど賢い。しかし、この賢さは地球上でのむちゃくちゃな横暴と孤立を招く以外、人間に何をもたらしただろう。圧倒的な賢さ故に、他者に対して圧倒的賢さを用いたマウントを取ることが出来ない。マウントが取れないなんて賢さの持ち腐れじゃないですかやだあ。チンパンジーとか、カラスとか、そういう賢い生き物を連れてきて、我々の圧倒的賢さを自慢しても、彼らは「?」以外に何の反応も返してくれないだろう。「あー……カラスさんってもしかして、言葉とかはあんまり分かんない感じですか?あっそうなんですね、すみません、なんか我々はちょっとばかり脳が発達してる?種族らしくて、日頃から言葉ってのを使ってるもんで、ついつい癖であなたがたに対しても言葉を使って接してました、配慮が足りず申し訳ないです、カァカァ」などと性格の悪いマウントを取ったところで、カラスは嫉妬したり悔しがるどころか理解すらしてくれないのだ。悲しいね。ああでも、ペットとして買われている賢い犬なんかは、人間が圧倒的に賢い生き物であるってことを理解してくれているのかな?上位の存在であるということはちゃんと認識してるみたいな話は聞いたことがある……いやすまねえ、犬はさっぱりなんだ。読者の中に犬の方がいたら教えてください。あなたは、人間が「賢い」生き物であるということを明確に理解していますか?「つよい」とか「えらい」とか「ごはんをくれる」とかそういうのじゃなくて、「賢い」生き物であることを。

 

精神を焼いて食われるくらいなら肉体の方をサイコロステーキにされた方がマシ

人間には、人間が動物のすみかを守ろうとして色々な運動を起こすような感じで、人間のすみかを守ろうと色々な方法を講じてくれるような上位存在がいないもんなあ。 「人間のすみかを守ろう!」「今こそ人間のために出来ることを!」「人間保護のための活動にご協力ください!」などなど。そういうことは、人間同士で寂しくやるしかないのだ。人間の、人間による、人間のための人間保護活動。ウウ、虚しい。マッチポンプじゃないか。勿論その代わりに、人間を狩猟して食うような存在もいないわけだが……いや、いるか。人間だな。人間は、人間を捕食しているな?逃げ惑う同類をとっ捕まえて肉をむしゃむしゃ食べることをしない代わりに、とっ捕まえた相手の精神をむしゃむしゃ食べることで腹を満たしているな?肉体だろうが精神だろうが人間の一部に変わりはないのだから、もしかすると人間は、地球上で最も野蛮で凶暴な共食い生物の集団なのかもしれない。精神攻撃っていうのは、人間特有なのかな?それとも他の生き物も、気に食わない相手に精神攻撃仕掛けたりするのかな?そもそも彼らは精神を持っているのかな?

 

人間情勢ハ複雑怪奇ナリ

 人間の生態について、人間が動物の生態を観察して論文を書くときのように研究してくれる存在がいたら、我々は彼らに乞うて、その論文を読ませて貰えるだろうか。いやきっと無理だな。犬に『犬の生態について』という論文を読ませる手段がいずこにあろうか。犬が『犬の生態について』なる論文の存在を知らないように、仮に知っていたとしても文字を読めない彼らには内容が理解出来ないように、『人間の生態について』なる論文は我々のあずかり知らぬところにしか存在し得ないし、我々が読めるような代物ではないのだ。世界には、生物学的なものから心理学的なものまで、人間を取り扱った研究論文は星の数ほど存在する。我々はその業績によって、人間の生態のほとんどを理解した気になっている。だがもしかすると、我々が理解した気になっている人間の生態は、犬が犬を見て「ウーン、こいつは犬だワン」と思っているのと同じくらいの理解度でしかないのかもしれない。やっぱり人間よりうんと賢い生き物に研究してもらうしかない。そして私は是非ともその論文を読みたい。仮に今現在人間を研究している上位存在がいるとすれば、宇宙人か天使辺りが妥当だろうか。そうなると、一応天国に行けるようにこの世で善行を積みつつ、生きているうちに宇宙語ないし天使語を勉強しておく必要がある。

 

 

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