700万年の週刊連載についての覚書｜どこからでもなにからでも絞り取れればなんだっていいんだまるで人間みたいにな

The Part-time worker Parable

なんだかものすごく疲れている。洗顔ネットに歯磨き粉を絞り出すくらいには疲れている。そんな漫画みたいなことをする人って現実にいるんですね。てっきり創作上の表現だと思っていました。いや、ひょっとすると、実はこの世界は誰かの創作の中で、ここが創作の上だから、創作世界の登場人物たる私はそんなことをしたのかもしれません。で、「白黒れむは洗顔ネットに歯磨き粉を絞り出した」という描写を読んで、「この白黒れむってキャラクターはアホなんだなあ」と思っている読者がどこかにいるのかもしれません。アァ。そんなことを考え始めるくらいには疲れている。今すぐにでも空から高い栄養ドリンクが降ってこないとやってらんないよ。「白黒れむは今すぐにでも空から高い栄養ドリンクが降ってこないとやってらんないよと思いました」。わー、わー！そのナレーションやめろ！

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SCP-2442/SCP-3812/SCP-3999

「この世界は誰かの創作作品で自分はその中のいちキャラクターであることに登場人物自身が気づいている系」の作品を世界で最初に拵えた人って誰なんだろう。その人はそのアイデアを思いついたとき、どんな気持ちだったんだろう。「画期的なアイデアだ」で済まされるような次元じゃないですよね。自分で自分のことが恐ろしくなってアイデア帳と一緒に身投げできるくらいの恐ろしさがありますよね。もうなんか、神に近づいてますよね。メタとか、第四の壁とか、シミュレーション仮説とか、そういう系の作品は今となっては何の目新しさもないが、それでも面白いものは面白い。何度見ても笑える鉄板ネタみたいな感じ。邪魔するんやったら帰ってと言われて素直に一旦帰ろうとする恐い人たちとか、何回見ても笑えるもんな。

ジャンプに700万年連載したら単行本何巻出せるんだ

もしも「この世界は誰かの創作作品で自分はその中のいちキャラクターであることに登場人物自身が気づいている系」の作品、その先駆けがこの世界であったなら、さしもの私も展開の遅さに辟易するぞ。先日ワンピースが100巻到達しましたけど、ワンピースで例えるなら100巻目でようやっとルフィがゴムゴムの実を食うか食わないかってレベルの展開の遅さだと思う。だってほら、さすがに700万年も連載を続けていたら、1人くらいそのことに気づくような展開があってもいいんじゃあないでしょうか。なのにまだ誰も気づいてないって、ちょっと引っ張りすぎじゃないですか。気づいた人間はことごとく現実から消されているという可能性もありますが。本当に誰も気づいてないのなら、我々は週刊誌に700万年連載されている漫画の上で生きているわけではないのかもしれません。誰か1人でも真に気づいた人間がいたのなら、我々は週刊誌に700万年連載されている漫画の上で生きているのかもしれません。科学哲学者のみなさん、どうぞ頑張ってください。

ゲームのプレイヤーが一旦PAUSEをかけて設定画面を開きああでもないこうでもないと設定を弄っているときのような空隙が現実にあるのかもしれない

自分の意思とかいうものは、いまひとつ信用ならないな。万能ではない万能薬とか、全能ではない神様みたいな感じ。それらが自分にとって絶対であることはなんとなく理解しているんだけど、その絶対自身がどこか抜けてるんだ。我々は自らが好きに振る舞っているように感じながら好きに振る舞っているときでさえ、自らが好きに振る舞っていることを何かしらの手段で確認しつづけなくちゃいけない。ひょっとすると、自らが好きに振る舞っているように感じながら好きに振る舞うようインプットされているだけなのかもしれない。私は自ら好きに振る舞っています。それを確実に保証してくれるものはありませんが、私がそう感じているので、恐らくそうなのだと思います。ただ、私が洗顔ネットに歯磨き粉を絞り出したとき、そこに私の明確な意思はなかったように思います。向こう側の作者からすれば、私が洗顔ネットに歯磨き粉を絞り出してアチャーとなることはシナリオに織り込み済なのでしょうが。人が「無意識に」とか「気づいたら」とか「いつの間にか」とか「体が勝手に」などと抜かして自分の行動についてわたわたと弁明しているとき、ひょっとすると、この世界に何か大変なことが起こっているのかもしれません。