あったりなかったりがなかったりあったりする覚書|あったりなかったりなかったりあったりしろ
ATMって100年後もああいう形なのかなって思ったけど100年後には現金の流通そのものが終了してる可能性もある
最寄りの銀行が移転したってんでここ最近ずっと給料日には遠い銀行までテクテク歩いていたのだが、どうやらATMだけは元の場所に残っていて、フツーに利用できたらしい。なんじゃそりゃ。あの建物は工事を入れるでもなく売り払うでもなく、当面そのままATMを置いとくためだけに残されるのか。贅沢だなあ。でもいつかは無くなるのかな?流石にこの先5年も10年もこのままってことはないだろう。でも1年や2年はそのままかもしれない。あのATMが正真正銘無くなったら、また遠い銀行までテクテク歩いて行かにゃならんのか。とはいえ、私があの場所に銀行があることを 発見する までは、当たり前のように遠い銀行に足を運んでいたのだ。で、ある日「なんや!こんなとこに銀行あるやんけ!」となって、より近いあの場所の銀行に通うようになった。つまりがあのATMが無くなったところで元に戻るだけなのである。そこに不満を示すのは、便利に慣れきった身特有のワガママというものだろうか。
かしこ…………い?
最初から今までずうっとないよりもあったものが途中からなくなる方がより不便に感じてしまうのは人間のサガというかエゴというか。でも人間はそれなり(それなり)によく出来ているので、最初はなかったものが途中からあるようになり、そのあるようになったものがまたなくなって不便を強いられても、やがてないことに適応していくのだ。あたかも最初から今までずうっとなかったかのように振る舞えるのだ。「なくなったら困る」と感じるものは身の回りに多々あれど、実際なくなったところで、なんやかんや代わりを見つけたり、不満を漏らしつつも埋め合わせたり、都合よく忘却したりして、うまいことやっていく。ウム。手ずから作り上げては手ずから失うことが得意なフレンズなのだ。
変な語尾ザウルス
あったものがなくなった瞬間も寂しいが、なくなったこと自体が自分の中からなくなった瞬間もまた寂しいものだ。まあその瞬間当人は気づかないので寂しさを感じようもないのだが。当人が寂しさを感じるとすれば、なくなったこと自体がいつの間にか自分の中からなくなっていたことに気づいた瞬間だ。あることを忘れていたという過去を思い出した瞬間だ。あることを直接思い出したのとはまたちょっと違う。「財布を家に忘れてきた」と「財布を家に忘れてきたことを忘れていた」とはちょっと違うでしょ。「そうだったそうだった、財布は家に忘れてきたんだった」ってアレですよ。ウッカリっていうか、遠回りっていうか、二度手間っていうか。人間は忘れていたという事実を思い出せるけど、他の生き物はどうですか?「あの木の根元にどんぐりを埋めていたけど先週掘り返しに行ったらなくなっていたでリスー、そのことを忘れて今日またあの木の根元にどんぐりを掘り返しに行ったけど当然なかったでリスー、そこでやっと自分がどんぐりがなくなっていたことに気づいたことを忘れていたことに気づいたでリスー」みたいなこと、ありますか?
「あった」「なかった」をすべて切り捨てて目の前の「ある」「ない」だけにひたすら目を向けて生きられたらさぞかし幸せだろうな
「あったものがない」とか「なかったものがある」とか、そういうことにこだわりたがるのはきっとある程度賢い生き物だけなんだろうなあ。しらんけど。「ある」「ない」にこだわる生き物はそりゃ大勢いるだろうけどね。カラスとかおさるさんなんかは、人間と同じように、「なんでや!さっきまであったやろ!」とか「ざけんなや!先週までなかったやんけ!」って考えてそうじゃないですか?一方お魚さんとかは、「ないなあ」「あるなあ」くらいにしか思ってなさそう。そんなことはない?お魚さんもちゃんと「さっきまであったけどないなあ」「先週までなかったけどあるなあ」って思ってますか?昔飼ってたハムスターは……ウーン。水を飲んでる最中にケージの外からそっと給水器を奪い取るイタズラとかしたことあったけど(ひどい)、あいつら「? ない(●・ω・●)」みたいな顔しかしてなかった気がするなあ。「つ゛い゛さ゛っ゛き゛ま゛で゛お゛水゛あ゛っ゛た゛の゛に゛ど゛う゛し゛て゛今゛は゛な゛い゛の゛お゛お゛お゛」みたいな顔してるのはあんまり見たことないな。でも個体によってはそういう顔もするんだろう。多分そういう顔をする個体の方が賢い。まあ、人間ちゃんは賢くない個体の方がよくそういう顔をしますけどね。
ね。