脳の疲労についての覚書|脳もお腹が空くらしい
脳のエサやり体験
「考えることが多い方に」「勉強や仕事中に」「脳のエネルギー補給」などといった謳い文句のついた食品にすこぶる弱い。氷砂糖、固形黒糖、ラムネ菓子、ぶどう糖タブレット……って全部ただの糖分の塊やないかーい。そう、ただの糖分の塊が好き。チョコチップクッキーとか、ストロベリータルトとか、キャラメルプレッツェルとか、そういう複雑な糖分よりも単純な糖分の方が圧倒的に好き。あっ黒糖かりんとうは好きです!複雑な糖分は身体のエサだが、単純な糖分は脳のエサ。脳は太らない(別に太ってもいい)。よってカロリーはゼロ。
エサの与えすぎにはご注意ください
毎日単純な糖分をポリポリポリポリ摂取しているけど、「脳が疲れている、エネルギーを補給しなきゃ」と思うほど脳を使っているわけでもなく、要は食欲の転嫁と、脳のエネルギー源を摂取していれば何かいいアイデアが浮かんだり読書が捗ったりするかも……という都合のいい期待である。糖分齧ったくらいで誰にでもいいアイデアがポンポン浮かんで来るならば、文明の発達はあと2000年分早く進んでいただろう。全人類スティーブ・ジョブズ。脳が一言「疲れている」と言ってくれたら、私はこの単純な糖分の塊を罪悪感なく摂取出来るのに。そんな意地張らなくていいと思うんだよご主人様は。正直に答えてくれ。脳、疲れているよな?――脳(いいえ)。
ぼんやりしてても疲れるのはあなたが脆いせいじゃない
非常に面白い記事を見つけたので紹介。
では、彼ら彼女らの優れ過ぎる頭脳は、どれほどのエネルギーを消費するのだろうか。1997年、ワシントン大学のマーカス・E・レイクル教授が、fMRI(機能的核磁気共鳴画像法)で脳の働きを調べていたところ、新しい事実を発見した。
計算をしたり、文章を読んだり、思考したりなど、意識的に何かをしているときに脳が消費するエネルギーは、何もしないでぼんやりしているときの15分の1でしかないというのだ。たった15分の1とはオドロキである。
脳は部位によって役割が決まっており、意識的に頭を使うときは、前頭葉の表面が活発に働いている。これに対して、ボーッとしているときは、その前頭葉の奥の方と、脳の中心部にある帯状回という部位の後ろ側が活発に働く。
レイクル教授はこの仕組みを「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と名付け、次の仕事や作業に備えてのアイドリング状態と考えた。そして、DMNでは、意識的に脳を使うときの15倍ものエネルギーを消費していることを明らかにした。
車のアイドリングもガソリンを食うが、走るときの15倍も消費したりはしない。脳はアイドリングで、大量のエネルギーを使うということだ。これは筆者の推測だが、特定の目的がないだけに、無駄にいろいろ活動してしまうからではないだろうか。
すると、話は逆になる。デューク東郷たちのように頭脳明晰(めいせき)な人の脳より、何も考えずボケーッとしている人の脳の方が、はるかにたくさんのエネルギーを消費する。言い換えれば、よく頭を使っている、ということになるのだ!世の中、分からないものですなあ。
ぼんやりしている方が却ってたくさんのエネルギーを消費する!
長年の謎が一気に解けた。ぼんやりしている時の感覚は、例えるなら周りに掴めそうなものが何も無い環境で大海原を漂っている状態に近い。一見ぷかぷかのんきに漂っているだけに見えるけれども、実際は水面に顔を出したり流されないようにするのに必死で、もし近くにサメが居たらどうしよう、このまま体温を奪われ続けたらどうしよう、喉が渇いたらどうしよう、そんなどん底の不安が次々襲ってくる。ぼんやりしている状態では、ぼんやりしているのでこういった感覚をはっきり自覚することはない。自覚がないから、気づいたときにはエネルギーが枯渇しているんだな。それで人によっては、「ぼんやりしていただけなのに、何もしていないのに、どうしてこんなに疲れているんだろう」と自分を責めてしまう。責めなくてもよかったんだ。ぼんやりしてても、脳は疲れるんだ。
興味ある人がいるか分からないけれども、少し調べているうちにこんな研究報告書が出てきたのでこちらも載せておく。この「安静状態の脳活動」というのが先程登場したDMN。
安静状態の脳活動パターンが自閉症スペクトラム傾向に関与している-名古屋大学
脳が疲れることについて考えていたら脳が疲れた
若干今更な話だが、そもそも「脳が疲れている」とは具体的にどのような感覚を指すのだろう。眠くて頭がぼんやりするようなのとはまた違うのか?脳の状態は色々ある。同じことを繰り返して注意力が散漫になった状態。1つの難問にずっと取り組んで嫌気が差した状態。ごくごく短い時間に外から多数の問題を押し付けられてパンクした状態。分からないことさえ分からないくらい分からない状態。突然宇宙とリンクしたりもする。お
それに脳の疲労脳の疲労と言ってきたが、心の疲労とは違うのだろうか。脳の疲労と心の疲労を分けようとするとそれだけで疲労困憊する。それは脳が?心が?ウーン、どっちだろう。脳と心は不可分だと思うが、完全に同じという訳でもなかろう。これは脳が担当すべき問題?心が担当すべき問題?頼むから部署間で面倒事を投げ合わないで欲しい。そんなこと言うんなら身体さんが解決してくださいよ。エーッ。身体に無茶させすぎると、私という会社が倒産するんだよ。
脳と心と身体が喧嘩し始めたため、今日のところはこの辺で。