珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

フリーターとしか言いようがないことについての覚書|普通行きの快速列車をずっと待っている

35歳なんて目と鼻の先

ぐうたらな多忙な店長に代わってバイトの面接などもしているベテランのパートさんと少し話をした。曰く、「面接をしていると『意欲が感じられない人』『すぐ辞めそうな人』は少し話すだけで分かる。そういう人は落とす」「この前も35歳のフリーターの男性が来たけどすぐ辞めそうだったから落とした、そもそも35歳にもなってフリーターって今まで何してたのよって話」。なるほど、確かにですね。35歳でフリーター、何してたんだって感じですね。ただその話に相槌を打っているのは、まさに「『35歳にもなってフリーター』予備軍」の女なんですけれどね。おーい志村!隣、隣!

吾輩の辞書(モノクロコピー16ページ)

先日、以前バイト先で働いていて公務員学校へ行くために大学を休学?した男の子が「地元の市役所の採用試験に合格しました!!」と報告にやって来た。半年ほど前に働き始めた別の人も公務員志望でスクールに通っているらしい。不安と言っていたが彼はうるさい 声がデカい 底なしの陽キャなのでまあ大丈夫だろう。だいぶ前に辞めた彼は何が何でも公務員になりたくて大学1年から懸命に勉強していると聞いた。みんなすごい。一方吾輩の辞書には学生の頃でさえ「公務員」の文字は無かった。みんな……みんな人生設計を考えて頑張っている。一方吾輩の辞書には学生の頃でさえ「頑張る」の文字は無かった。吾輩の辞書はイベント当日の朝にコンビニのコピー機で刷ったペラ本程度の厚みしかない。そこに載っているのは「逃げる」という文字と、その関連用語ばかり。

やめてくださいしんでしまいます

公務員が全てではないが、モチのロン、フリーターが全てでもない。ふた昔くらい前はフリーター=アルバイトで食い繋ぎながら夢を追いかける青年、くらいの、それこそフリーと冠するに相応しい身軽なイメージがあったそうだが、それもひと昔くらい前には「もしかして……フリーターってアレなんじゃね?」となり、今では「フリーター……あっ(察し)」。黙って察してくれる人はありがたい。時々「フリーターなんですね!じゃあなんかやりたいことがある感じですか?」という核爆弾を全力で投げてくる人もいる。十徳ナイフの先端が10本いっぺんに襲いかかってくる。それを言っちゃあお終ェよ。私の心が。

普通って結局すごいんだよね

インターネットで匿名の人間の人生を簡単に知ることが出来るようになったせいか知らないが、近頃では「ある所まで普通に真っ当な人生のレーンを歩いてきたのにある日突然フリーターになった」人が多い気がする。不遇な環境やらトラブルやらでなるべくしてフリーターになったとかではなく、普通の家庭に生まれて、普通に育てられて、普通に暮らして、普通に遊んで、普通に友達作って、普通に進学して、……よくわからんけど、今フリーターしてる。そういうひと。かくいう私もそうである。普通の家庭で普通に育ち普通に学び普通に大学に進学して、よくわからんけど今フリーターをしている。昔は、普通に社会人になると思っていた。当たり前のように、普通な大人になると思っていた。普通に働いたり普通に遊んだりすると思っていた。普通に家事をして普通に買い物をして普通に旅行をして普通に読書をして普通に着て普通に食べて普通に住んでいると思っていた。普通にならなかった。

普通は普通じゃなかった。

 

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