珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

半端と矛盾についての覚書|大仰なこと言ってますけど要は太りましたという報告です

こんな記事を書くつもりじゃなかった

先週は体力も気力も記事のネタも完全に尽き果て、あたかも塩気を取り去られた塩のような状態であった。幸い、暫く前の記事で「更新頻度が落ちるかも云々」と明記しておったので、ブログを書くということ関しては安心して塩味の無い塩たる私を謳歌していた。どっこい、ネタの神様というものは実に気まぐれなもので、昨晩から今朝にかけて次から次にネタを降らしてきたため、そのうち1つを取り上げて書こうと思ってい思っていたのだ。道端ではスマホのメモ帳アプリにアイデアをしたため、仕事中は左ポケットに入れたメモ帳に構想を書き殴りながら、久々にいい感じの記事が書けそうだと上機嫌であっ上機嫌であったのだ。しかしその思惑は、バイト中に便所掃除をしていてふと顔を上げた瞬間に全て吹き飛んだ。

 

か、顔が……太い!

 

白黒れむ改め白黒でぶ襲名披露公演

ここ数ヶ月じわじわと太り続け、顎の肉もだいぶエライことになっていたのは自覚していたが、角度によってはまあまだマシに見えるし……という虚しい慰めによって見て見ぬふりをしていた。しかし便所掃除中にふと顔を上げて鏡に映った自分の顔と言ったらまあ、前から見ても横から見ても顔にボンヨヨと間抜けな肉が付き、そう、ボンヨヨ……ボンヨヨであった。10日ほど前、久々に会ったバイトの人と「体調大丈夫ですか?」「えっ大丈夫(じゃない)ですけど、何でですか?」「顔がすごく浮腫んでたので……心配になって」「あっそれ肉ですね、太ったので」という会話をしたことを思い出し、酷く慌てた。つまりそう、これはもう、ダイエットについて自己反省と決意立ての記事を書かねばならぬという神からの啓示なのだ。ここからしばらくは太った女の反省録なので、興味のない方はここまで飛ばして頂いて構わない。

ストレスで食うタイプの女です

ところで何故こうも太ったのかについて。どう考えてもストレス太りであるのだが、私の場合はストレスから来る不健康な食欲に加えて、非常にややこしい要素がアレコレ入り混じった結果、頭が混乱して食事ひとつ取ってもどう行動すれば良いか全く分からなくなっていたのである。なんじゃそりゃ。

ポンコツな完璧主義

私の日常生活を支配する思考は4つある。①節約②ダイエット③快楽④不幸な自分の演出 である。そしてそれらを貫く柱として、極端な完璧主義思考がある。これらの説明は一旦置いておいて、この4つが混ざり合ったものに完璧主義がぶっ刺さった結果、「節約しながらダイエットしながら脳みそに快楽を行き渡らせながら不幸な自分を演出するには一体何を食えばいいのか!?ウワーッ!!」となり、節約と言いながらドンキで74円の食パンを買って頭の中でダイエットダイエットと唱えるばかりで快楽を得るためのジャムやとろけるチーズを買いに行くことを我慢できず私は不幸だから食パンしか食べられない人生なのよと悲劇のヒロインを気取りつつ1斤ペロッと片付けるような意味不明な食生活を送っていたのである。この場合は最終的に、ジャムやとろけるチーズを買い足している時点で節約出来てないし、それを1斤食っている時点でダイエット出来てないし、甘さや塩気という快楽だけは立派に貪ってみせるが、別に悲劇のヒロインでもなんでもなくただ食パンを1斤平らげたデブ女の一丁上がり、という結果に終わる。ここでは快楽を貪るという項目のみが達成されていることに注目頂きたい。それをパターンを変えながら毎日毎日。そりゃ太るわ。

くたばれ!マイルール

この「自分の生活を支配する思考」を「マイルール」とでも呼ぼう。この「マイルール」が自分の中にあまりにも多く、さらに主軸として「極端な完璧主義」という厄介な柱がその中心をズンと貫いている。するとどうなるかというと、全ての「マイルール」を同時に守ろうとするのだが、当然そんなこと出来るはずもなく、それでも頑なに「マイルール」にこだわるあまり混乱に陥り、結果として当初の「マイルール」を何一つ守れていない意味不明な行動に終着するのである。食生活以外でもそうだ。ある行動をするにあたって、自分の中ではこうもしなければならないし、ああもしなければならない、それが自分の理想とする行動スタイル……ええいそんなこと出来るものか!無謀な理想にも程がある!でもそれが「マイルール」なんだ!しなければならないんだ!出来るものか!ウワーッ!!

半端と矛盾、それが人間

以上の自己分析をもっと端的にまとめるならば、「半端と矛盾を許さないあまり、却って半端と矛盾に陥っている」ということである。己の半端が我慢ならない。己の矛盾を見過ごせない。しかしながら今の自分に完璧を貫ける生活力も財力も行動力も決定力も無い。それ故に生まれてしまう半端と矛盾。それらさえも許せない。自らが勝手に生み出した半端と矛盾にまみれながら、どんどん自信を失っていく。過剰な自信と過剰な自信の無さは両立する。自分の中で相反するものが常に戦っており、四六時中内側から食われているような感覚がする。今の私に必要なものは、どれか1つを取って、残りはすっぱり諦めることである。私が完璧超人ではないことは私が1番よく分かっているのに、1番よく分かっていないような思考にばかりたどり着いてしまう。自分を理解していることと自分を理解していないことも両立する。世の中の人々は皆、こんな葛藤をクリアして生き抜いているのだろうか。それともこのような葛藤にまだ行き着いてないのだろうか。逆に考えれば私は人々の随分先を行っているのではなかろうか。先を行き過ぎて、コースアウトしているのかな。

「~のくせに」、それで結構

きっと誰もが半端と矛盾を抱えていて、半端と矛盾と上手に付き合いながら生きているのだ。それらと上手く付き合えない人が、私のように混乱したちぐはぐな選択肢ばかり選んでしまうのだろう。例えば「旅行が好き」と「貧乏」は一見相容れないかもしれないが、「旅行が好きだから貧乏」でもいいし、「貧乏だけど旅行が好き」でもいいのだ。「旅行が好き」であることを公言するために、給料が上がるまで待たなくても、宝くじが当たるまで待たなくても、玉の輿に乗るまで待たなくてもいい。「貧乏なくせに旅行が好きなんてゼータクですよね、ハハ」でいい。私は太ってスキニーパンツが見苦しくなってきてからはめっきり服屋に行く回数も化粧品店に行く回数も減った。痩せるまで待つ必要があると思っていたし、今もそうだからだ。でも本当は「太ったくせにファッションやメイクが好きなんてやんなっちゃいますよね、ハハ」でいいんだろう。

これらを踏まえて、上の方で述べた私の混乱を上手く整理してみる。「金が無いくせにダイエットのためとか言って高いサラダばっかり食べてるのもミョーな話ですよね、ハハ」「ダイエット中のくせにチョコレート食べちゃって自分に甘いですよね、ハハ」「底辺フリーターのくせにダイエットして容姿に気を遣うのウケますよね、ハハ」「結構ゼータクしてるくせに不幸ぶってるの意味わかんないですよね、ハハ」。

ま、それでいいんだろう。半端も矛盾も、案外抱え込める。

 

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