珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

「労働」というすきすきワードについての覚書|つら~い労働炎に小林製薬のヤスミトール

賃労働の休憩時間におすすめの本です!

エンゲルス『空想より科学へ』を読んでいる。エンゲルスの名は、エンゲルス単体よりもむしろ「マルクス・エンゲルス」というお決まりの響きとして、世界史だか政経だかで聞いたことがあるだろう。間違ってもエンゲルスさんちのマルクスさんではない。先日にはマルクス『哲学の貧困』を読んだという記事を書いたわけだが、一応自己紹介しておくと、私は政治にも経済にもましてや社会主義にも資本主義にも共産主義にも唯物史観にも全く疎いペーペーの無学のアホである。ペーペーの無学のアホであるからして、こんな本を読んだとて、さぞかし針金を噛むような味気なさであろうよ……と思いきや、これがまたたいへんに面白い。何が面白いって、こちらまごう事なき社会主義の入門書でありながら、その一部内容は哲学の入門書としても十分に通用しそうな、むしろ哲学に興味を持って囓り始めたはいいが「形而上?弁証法?観念論?唯物論?アーハン?」みたいな状態の人間の理解を大いに助けてくれる側面があると思う。いやホント、エンゲルス先生の言葉は実に分かりやすい。哲学の解説を目的とした書物ではないにも関わらず、そのへんに落ちている哲学の解説書よりもよっぽど分かりやすい。

shirokuro-044.hatenablog.jp

 

三大楽しい労働の話題「労働の愚痴」「理想の労働」「やってない労働」

マルクスエンゲルスの本が私にとって面白い理由はもうひとつある。それは「労働者」「賃金」「労働時間」「貧困」「生産力」といったすきすきワードがいっぱい出てくるからである。わぁい「貧困」 れむ「貧困」だいすき。それに加えて、この『空想より科学へ』には、私がこの世で最も愛する言葉「理性」が頻繁に顔を出す!やった!「理性」だ!私は労働が大嫌いだし、賃金とか(お金自体は好きだが)貧困なんかクソ喰らえだと思っている。だがクソ喰らえも一周回ればケーキ召し上がれだ。そう、労働自体は大嫌いだが、労働について書かれた書物や労働について自ら考えることは好きなのだ。

 

今の世の中が正しいかという問いには答えられる気が全くしないけど100年前の世の中が正しかったかについてあれこれ口出しすることは私にも出来る でもそれってちょっとずるい

しかしながらこれらについて書かれた書物が好きといっても、私の場合、それは古典に限ってのことだ。やはり最低でも50年、出来れば100年は経過していてほしい。昔の人が、昔の労働を直に観察して、昔の労働の問題点やら何やらについて書いた本を、こんな一般フリーターが読んで今更何になるのかという話だが、例えるなら民俗資料館で当時実際に使われていたたらいと洗濯板を眺めている時の気分と同じだ。軽い好奇心と知的欲求と、それから「私はもっと進んだ世の中に暮らしている」という、タチの悪い僅かばかりの優越感がそこにある。一方で、現代人が、現代の労働を直に観察して、現代の労働の問題点やら何やらについて書いた本、これらは私にとっての禁書なので丁重にお断りしている。だって現代の労働なんか、バイトとはいえ毎日嫌というほど体験しているし、小難しい分析結果なんて見たくもない。だいいち、何故貴重な余暇時間にそんな労働のトラウマを自ら掘り返すような真似をせにゃならんのだ。ウーン、こんなんだから私はいい年して政治経済に対してペーペーの無学のアホなんだろう。

 

チョコラBBは労働炎と口内炎に効く

労働憎しと声高に叫んでおきながら、これほどまでに労働について書きたがるのも、ひとえに労働が口内炎のようなものだからだ。口内炎。触らずにそっとしておきゃいいものを、どうにも口の中が落ち着かなくて、ついつい舌で舐めまわす。その都度ピリリとした痛みを感じて不快な思いをするのに、次の瞬間にはまた舌でペロリとやっている。こんな具合で、憎き労働をペロリとやっては、その鈍痛に思いを馳せる。あゝ労働。労働炎。術無きかな。現代の労働に関するニュースを見ること、現代の貧困に関するコラムを読むこと、それすなわち、労働という痛みの元に向かってペロリとやること。治るものも治りゃしない。

 

あれ

エンゲルスの話は?

 

 

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