のびしろについての覚書｜のびーーーーーーーーーーーーーーない

のびしろがある

眉毛と前髪の伸びがいくらなんでも早すぎる。髭の濃い男性の中には朝剃って午後にはもう生えているような人もいると聞いたことがあるが、なんというかまさにそんな感じ。出勤前に整えて退勤時には既に短い毛が生えてきているし、前髪は額の脂でヘタっているのもあるがだいたい目にかかっている。なんでや。ひどいときには朝晩眉を剃ってるし、前髪も2日に1回はセルフでハサミを入れている。褒められずとも伸びる毛と褒められても伸びない私の対比が実に滑稽である。

私と同い年の会社員がどんな仕事をしているのか本当になんにも知らない

私はもう褒められて伸びるとか褒められたら伸びるとか褒めてくれなきゃ伸びないとか言えるような年齢でもない。褒められようが怒られようが伸びる必要があるなら伸びなきゃいけないわけで、もしも私が大学を卒業していたら既に社会人6年目、そう考えるとちょうどまさに怒られて伸びなきゃならんような時期なのではなかろうか。知らんけど。スケールのデカい仕事を任せられて、「やれと言われたからには全力でやるが、今の自分の能力だとどれだけ最善を尽くしても必ず一度はどこかでお叱りを受けることだろう」と事前に覚悟しなきゃならん場面に沢山出くわすだろう。知らんけど。もちろん怒られなくて済むのなら怒られないに越したことはないし、逆に6年目になってもしっかり褒めて伸ばしてくれるような先輩や上司がいるなら実にいいことだ。知らんけど。伸びて、伸ばされて、みんなすごいな。会社勤めになったら嫌でも色々な能力が身につくんだろうな。カイシャインやってる白黒れむ、全然想像がつかないや。

言葉はいらない、ただ黙って時給を上げればいい

話は変わるが、私はアルバイト向けの接客講習とかスキルアップ(笑)研修の類が大ッッッッッ嫌いなので、バイト先にその手のポスターが掲示してあるのを見るだけで体調を崩しそうになる。時給据え置きで各個人から店への貢献度だけ上げようというのはあまりにも虫が良すぎる。どうせ研修時間ぶんの給料だって出てないんだろう？「店にとって使い勝手がいい人間」を「接客スキルが高いスタッフ」という耳障りのいい言葉とすり替えるんじゃない。「あなたの接客スキルを磨いてみませんか？」という誘い文句は、時給が据え置きである限り、「これまで通りの安い給料でこれまで以上のクオリティを常に維持し続けながら働いてみませんか？」という恥知らずな物言いと何ら変わるものではない。逆に言うと、本人の気づかないうちに時給が10円上がりさえしたならば、それは「我々はあなたの能力を大いに評価(期待)しています」という最大級の褒め言葉と同義なのである。

「イエペはぼうしがだいすき」は名絵本ですぞ

ところで、私みたいな立場の人間にとっての「伸び」とは一体何を指すのだろう。私って、まだ伸びる必要あるのかな？就職するとか、資格を取るとか、そういうのは「伸び」とはまた違う気がする。それは私自身が伸びたというよりも、私の上に何か有益なものが付け足された結果、全長が長くなっただけのように思われる。身長が10cm伸びるのと、高さ10cmの帽子を被るのは全然違うだろう。少なくとも今のところは、この「帽子」を自分の頭の上に積み上げていこうとは思わない。今頃になって、頭の上に3つも4つもそれを被ってみたところで、道化以外の何者にもならない。似合わない帽子を1つ被っているのでさえ滑稽なのに、それを幾つも幾つも重ねて「これがオシャレだ」なんて胸張って言ってるおば……お姉さんがいたら笑いものだろう。もうね、どんな「帽子」も似合わなくなっちゃったのよ。中折れ帽も、ベレー帽も、キャスケットも、テンガロンハットも、ましてや野球帽や麦わら帽子なんて、被ってみたところでただただ面白可笑しいばかりで、何のオシャレにもなりゃしないの。

のびーる　のびーる　ノンストップ

私の中に伸ばすべき要素があると仮定しても、そこから導き出される目標はせいぜい「小銭のやりくりをもっと上手くやる」とか「欲することの少ない抑制的な人間になる」とか「より深く思索出来るようにする」とかその程度であるが、どれも私の中に伸びる余地は十分残っていると思う。1つ目はお金のやりくりではなく「小銭」のやりくりというところがポイント。お金のやりくりはそれなりにやっているので、突き詰めて「小銭」をやりくりするところまで上手く出来るようになれば、暫くの間は困らないだろう。2つ目はまあなんだ、欲しがりません死ぬまではって感じで、とにかく自分の外にあるあれやこれやに一切惑わされない人間になりたいのだ。幸い(？)、欲しいものややりたいことを尋ねられても答えが何も出てこないタイプであることだし、のびしろは大きいと思う。3つ目は……このブログが10年続いた暁には、伸びてるんじゃないですかね。