文法にうるさい寿司の立場から考える「人間」についての覚書|I am SUSHI.
今週のお題「寿司」についていつもの一言
みなさん、寿司は好きですか? 握ったり、回ったりする魅惑の食べ物……それが「寿司」。
視点 主語を統一しろ
※主語です!主語!
国語の教師かオメーはよォォォォ
握ったりするのは「人間」であり、回ったりするのは「寿司」である。はて、これは一体どうしたものか。私は「人間」の立場からこのお題に答えればいいのか、それとも「寿司」の立場からそうすればよいのか。寿司を扱う側の人間から見るのであれば「握ったり、回したり」とすべきであるし、人間に扱われる側の寿司から考えるのであれば「握られたり、回ったり」が正しいだろう。さらに細かく言えば、「握ったり、回したりされる魅惑の食べ物」もしくは「握られたり、回されたりする魅惑の食べ物」が、一文としてしっくりくる。ウム。セッコもこれには大満足。生憎私はこれまでの人生で一度も寿司になったことはないし、恐らく今後もそうであるはずだったのだが、はてなブログが与えてくれたせっかくの機会なので、寿司になることにします。
わたし、野球ド素人の寿司です。こっちはメジャーリーガーの大谷
どうも寿司です。10年くらい前の英語の教科書に英文で紹介されたこともある寿司です。「なれ鮨」って聞いたことない?寿司のルーツみたいなものが、英文で書かれててね。それと、初めて寿司を食べる外国人におすすめ出来るネタについても書いてありました。玉子と……あとなんだったか。とにかく、生臭くないものを最初におすすめしろと。それは尤もだが、最初に玉子を勧めるのは、あー、なんというか、イヤ、合理的なんだけどね、感情的にはちょっと「それどうなの?」ってなるというか。日本人メジャーリーガーが出場するメジャーリーグの試合で、注目すべき選手は誰かと問われて、誰々っていう現地の選手だよってお勧めするくらい、合理的だが感情的にはちょっと、みたいなところがあったね。より具体的に例えるなら、初めてメジャーリーグの試合を観戦する初心者の日本人に対して、今あんまり調子が良くない大谷よりも、絶好調な現地選手に注目しろって勧めるような感じだね。それは実に合理的だけど、感情的にはやっぱり「そりゃ大谷よ」って言ってほしいわけ。野球は全然分からないから変なところがあっても勘弁してね。自分、寿司だし。
寿司、年月を経てもその本質的な価値は変わらない人間になるー!
ところで、寿司ってのは大衆庶民向けの贅沢として本当に優秀だな。自分で言うのもなんだけど。100円寿司に行けば英世1枚でお腹いっぱい食べられるし、それでいてすごく贅沢した気分になれる。値段がいくらだろうと、寿司を食べた事実には変わりがないのだから。そう、値段がどれだけ安かろうと、寿司は一種の贅沢という観念が、我々の……じゃなくて、人間の中に刷り込まれている限り、寿司は他の食べ物とは一線画したところにずっと位置していられるのだ。値段が90円になろうが80円になろうが、寿司はその地位を揺るがすことがない。私もそんな人間になりてえなあ。今は寿司だけど。
>突然の輪ゴム<
全然関係ない話をするけど、老舗メーカーが作ってる箱入り輪ゴムの箱には大抵「高級」って書いてある。ダイソーで売ってるやつにもデザイン模倣の一種として書いてあったかな。昔の名残ね。1箱に何百本も入っていて数百円、それに「高級」と銘打ってあるのは今となってはちょっとヘンな気分もしますけど、レトロな感じがあって私は好きです。あっ、寿司は好きです。一人称は寿司。本当にこの話寿司と関係ねえな。
寿司があればとりあえず頑張れる可愛い人間のみなさん
寿司が年月を経てもその本質的な価値は変わらない食べ物の地位に至るまでに、一体どれほどの人間の苦労があったことか。寿司ド素人なのでそのへん全然わからないけど。えっ、今のお前は寿司なのになんで寿司についてド素人なのかって?だって人間さんだってずっと人間やってるくせに人間ド素人でしょ。お互い様よ。人間がその地位に上り詰めるには、本当に並々ならぬ苦労が必要なのだ。若い頃にひとつの大きな業績を上げただけじゃだめで、そこからもコンスタントに何かしらの業績を作っていかなければ、世間からは忘れ去られて、それどころか「一発屋」という不名誉な称号すら与えられかねない。人間、一回の人生でそう何発も当てられる方が却っておかしいのよ。寿司が今の地位を築くまでに人間の苦労があったというのなら、各々の人間が確固たる地位を築くためには、寿司の苦労が必要なのかもしれない。でも、寿司が人間にしてあげられることなんて、おいしさとよろこびを提供するくらいしかない。それで十分だろうか。十分かな。人間って、単純だし。