珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

面白さがどこも無い覚書|どこもないんだ、どこにもね

メモ帳アプリに残っていた通行人の会話より

通りすがりのおじさん「それがあちこち探したけどどこも無かったんですよ」

私「(何処も無かったのか……)」

通りすがりのおじさん「auも、ソフトバンクも無かった」

私「(docomo無かったのか……)」

 

見た目は大人、頭脳は子供

フフフ。上は通りすがりのおじさん2人組の会話の中で唯一聞き取れた部分である。なるほどちょっと面白かった。フフフ。いやおじさんの発言それ自体はぜんぜん面白くないな。おじさんの発言が私の耳と頭を通して更に文章に書き起こすことでちょっと面白くなった。フフフ。あれはダブルミーニングってやつだな。おじさんはきっと無意識だろうけど。そういえば、あの発言を聞いたのはいつだった?9月下旬だ。9月下旬に携帯電話界隈で起こったことといえば?iPhone13の発売!つまりあのおじさんはiPhone13を探して3キャリア全てのショップを訪れたけどどの店にも無かったと、恐らくそういうことだろう。docomoが何処も無かったのではなく、iPhone13が何処も無かったんだな。は~これは名探偵ですね。予約しろよ。

 

あなたはただ勝手に変換して勝手に勘違いしてただけでしょ

なんの変哲もない発言も、聞き手の耳と頭で濾過されることによって、面白い発言になるんだな。私もなにもかも聞き手の濾過装置頼みにして発言したいな。聞き上手は頭がいい。頭の中の濾過装置がべらぼうに優秀なんだ。彼らの濾過装置は小麦粉から飲み水を生成できるくらいすごい。願わくば、私はただ思い浮かんだことをそのまま喋っているだけなのに、聞き手の耳と頭を通ることで、なんだかとっても面白い話ができているような雰囲気が生まれる、そんな感じになってほしい。全人類は私のつまらない話を濾過して面白い話へ変換することに尽力してほしい。今日の天気と今日のコロナでその場を切り抜けるのにも限度がある。

 

世に良い面白さと悪い面白さがあるならこれは間違いなく悪い面白さですねこれはもう間違いない

面白さの欠片も持ち合わせていないくせに、自分の中からどうにかこうにか面白さを引っ張り出して来ようとする、そのこと自体に無理がある。無い袖は触れないし、そこになければないですねってダイソーの店員も言ってる。私自身面白くない自覚が大いにあるので、最近ではもう無理して面白さを引っ張り出してこなくてもいいかなと思っている。いやそもそも引っ張り出す面白さがないのだから、もしもそこに何らかの面白さが存在するとすれば、それはもう借金だ。誰から借りているかというと、自分のちっぽけな自尊心から借りているのだ。面白いことはできない、でも面白くない人間と思われるのは嫌だ、多少無理をしてでも、それこそ借金してでも、どこかから面白さを引っ張ってきたい。どんなに粗悪な面白さであってもいい、最悪偽物でもいい、面白さでありさえすれば。すると……するとどうなるだろう?面白くない人間が自尊心のために無理やり面白くあろうとするとどうなるだろう?面白くないところが面白い、そこにたどり着くんじゃなかろうか。あいつ面白くないよな。でも自分では面白いと思って振舞ってるらしいよ。あれで?全然面白くないのに自分では面白いと思ってんの?へー、 面白い・・・ ヤツ。

 

自分で書いててひんしの重傷を負ったのでひとやすみ

しゃくしゃく(ふっかつそうを食べる音)

 

対面で会話してても「笑」と「(笑)」の違いが分かるようになってきた

おめでとうございます!これがあなたの望んだ「面白さ」ですよ!みんながあなたのことを、あなたのいないところで、面白い・・・ ヤツだと言っていますよ!よかったですね!……なんてことにならないよう、面白くあろうとするチャレンジはほどほどのところで諦めたほうがよさそうだ。ああ、これは別に誰かに向けて言っているわけではなくて、自分に向けて言っています。というか、あなたまだ諦めてなかったんですか。その歳までずっと面白くない人間だったくせに、これから先どこかの地点で面白い人間になれるとでも思っていたんですか。仮にあなたが「面白くないところが面白い」領域にまで達したとして、背中を鏡で見てごらんなさい。「(笑)」がいっぱいついていますよ。あなた、人からずっと「(笑)」を投げつけられていたことにその歳まで気付かなかったんですか。とはいえ、「面白くないところが面白い」という言葉がそのまま素直に褒め言葉(?)として通用するような稀有な人間もいるにはいるのです。ただしそういう人ってのはなんというか、面白さに関係なく抜きん出たものを持っていて、面白かろうが面白くなかろうが人として奇妙な魅力があって、危なっかしいカリスマがあって、大抵が天才タイプです。あなたは天才じゃないので諦めましょう。

 

私が私に借金して私がそれを取り立てて私が来月まで待ってくださいってお願いしてこの繰り返し

面白さを貸してくれと額を擦りつけて懇願するのも自尊心だし、粗悪な面白さ(面白くない)を法外な金額で貸し付けるのもまた自尊心である。おやまあ、ひとりあそびが上手なんですね。そうだよ。

 

 

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