ストレスの魅力に取り憑かれた人間の覚書|イライラしたくてウズウズしてんだ
暇だな、イライラするか
今週は全力で自分の機嫌取りをする週にしようと思う。イライラするのを極力止めようと思う。正確に言えば、イライラする要素(原因)を無意識に探してしまうことを止めようと思う。自覚はあるのだ。イライラしていない自分に違和感を覚え、困惑し、何を言ってるのかわからねーと思うが「イライラしていない自分にイライラする」状態に陥り、その「原因不明のイライラ=宙に浮いたイライラ」を「原因に基づいたイライラ=地に足のついたイライラ」に変えるべく、何を言ってるかわからねーと思うが目の前の現実からイライラする要素を必死に探し、それらしきものを見つけては「あっ正当な理由に基づいて正当にイライラ出来るぞo(^o^)o」と安心して、そう安心して 、イライラするのである。繰り返すが何を言ってるのかわからねーと思う、何べん追いポルナレフしても足りないくらいわからねーと思う、けど分かる人には分かると思う。イライラする毎日を送っていると、イライラしない日の方が却って不気味なのだ。……で、そういうことから卒業するために必死こいて自分の機嫌取りをしてやろうというわけだ。否、僭越ながらご自分のご機嫌取りをさせて頂こうというわけだ。ご自分、ご機嫌はいかがですか!何か欲しいものとかありますか!新しい椅子ですか!こないだ昼飯のラーメン全部椅子の上にこぼしたからめっちゃ臭いですもんね!買ってきやす!来月くらいに!
慈母です
勤務中の自分……ご自分のご機嫌取りはそりゃもう大変なのだが、勤務前の自分……ご自分のご機嫌取りも楽ではない。というのも、店に一歩一歩近づくにつれ、頭が勝手に考えうる限りのクソ客を脳内に量産し始めるからだ。それはつまり、私は勤務する前から既にイライラ出来る正当な理由を懸命に探しているということになりやしないか。実際、イヤイヤいくらなんでもそんなヤベーのは来ないだろ!と言いたくなるくらい現実離れした連中をぽこじゃが作り出して、それらが店内を暴れまわり、私の理性がそれらと必死に闘っているのを、奴は愉快な見世物くらいにしか思っていない。そしてそういう時の私の理性(IQ2)は一体どのように抗っているかというと、「私は慈悲深いから!大丈夫!どんなヤベー連中も笑顔で全部許せるから!私は慈母!私は慈母!」とひたすら叫んでいる。「私は慈母!」と脳内で唱えながら通勤している人はそんなにいないと思う。ところが「私は慈母!」と頭の中で必死に叫んでいる私のマスクの下の顔はまさに般若なのである。自分の機嫌取りをするためには、要らぬイライラを起こさぬためには、慈母であらねばならぬし、実際勤務中にも慈母であろうと極力努めている。しかし実際は般若である。インド神話で言えば、体のあちこちからカーリー成分がだだ漏れしているパールヴァティーである。白黒ちゃん目怖っ。
ストレス中毒
外部から受け取るまでもなく、ストレスを自家発電してしまう癖をやめたい。外部から来るストレスだけでも手一杯なのに、自分の内から無限に湧き出すストレスに一体どう対処しろというのか。私はクソ客を心の底から憎んでいるが、かといってクソ客の生首を繋いで作った首飾りを首にかけてドンドコドンドコ踊りたいなんて微塵も思って……いや少しくらいは思っているかもしれないが、とにかくそんなに思ってない。勝手に不愉快な妄想をして勝手に不愉快になる癖をやめたい。イライラ出来る口実を見つけて喜んではならない。ストレスという特上の刺激を求めてはならない。じゃあストレスに代わる刺激ってなんだ?さしあたりそれのことを考えていれば他に何も考える必要はなく、それのことを見ていれば他に何も見る必要はなく、それのことを感じていれば他に何も感じる必要がなくなるような、そんなオイシイ刺激が他にあるというのか?「自分はきっと正しい」と「相手はきっと間違っている」の上に建てられたストレスの塔ほど、甘美なものがあるだろうか?
ご自分様が通る
●”ご自分”にお聞きした「機嫌の維持に必要なもの」リスト(10/12時点)
①新しい椅子
②安くていっぱい入ってるチョコレート
③辛いラーメン
④仕事の合間にポケットの中でにぎにぎ出来る大きさのストレスボール
⑤話し相手
●それに対する自分の所感
①いつか買いやす!
②明日買いやす!
③もう家にありやす!
④どこで売ってやすか!
⑤は?