珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

責任から逃げ回りながら安心を追いかけ回す覚書|楽をしたいわけじゃなくて気楽にやりたいだけなんだ

私、もうシフト表くんのことなんにも信じられないよ……

通勤しながらLINEにアップされたシフト表を見て、その日のシフトが店長と一緒だととにかくほっとする。よかった、店長だ、となる。本来店長がシフト入りするというのは人手不足の証でなんにもよくはないのだが、とにかく私個人にとってはよいことなのだ。仮にその日なんか起こったとしてもなんも起こってないも同然じゃないか。なんせ店長が一緒なんだからな。そのように安心して出勤して、事務所に行くと店長ではなく他のアルバイトの子が来ており「あ、店長と替わりました」と言われると、ああ、ウン、別に全然いいんだけど、「そっかあ……」となる。アルバイトの子たちはみんな仕事ができるので何ひとつ問題はないのだが、こっちは店長と2人で入るという無敵の安心感を前提に出勤しているので、「そっかあ……」としか言えないのである。先日は「わーい店長とだ!」からの「勤務3日目の新人と2人か……」という落差で全身複雑骨折した。そんなシチュエーションがかれこれ2ヶ月くらい続いているので、私は私の安心感の葬儀代で破産しそうになっている。

 

着任する店長のレベルが段々上がってきているので次の店長は神が来るかもしれない

合理的に考えると、着任して3ヶ月の店長よりも、半年、1年、2年、現場で動いているアルバイトの子の方が業務をよく分かっているし、そっちの方が効率がいい。といっても4月からやって来た店長はめちゃくちゃいい人で、誰も来ない深夜の受付で案山子になってたり(※1)バイトの1人に全部仕事を押し付けて事務所のデスクに座っている(※2)よりも、店内を走り回って雑務をしている方がお好みのようなのだ。まあ、「トイレ掃除終わりましたよー」からの「店長~~~さっき掃除してくれたトイレのハンドソープ空っぽ~~~」ということもまれによくあるのだが、それくらいならカワイイものだ。店長、頑張ってるから。店長の話はこれくらいにしておいて、「店長と一緒だ!安心!」⇒「あっ店長と一緒じゃないのね……」をあまりに何度も何度も繰り返していると、こっちとしても振り回された気分になって、段々ぷいぷいしてくる。ぷりぷりと言うほどでもないのが救いなのだが。ぷいぷいーん

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(※1)前店長

(※2)前々店長

 

「所詮バイト」と口ではヘラヘラ言いつつ内心ビビりまくってる自分ほんとダサいな

今のバイトを初めてまもなく3年目、個人的にはまだ3年といった感じなのだが、入社順で言えば既に6番目、出勤時間で言えば4番目くらい、深夜帯ならば1番目になる。そこまで行ってもなお、というかこの歳になってもなお、自分より立場が上の人間と一緒に仕事したいという自分の甘ったれ具合にはほとほと呆れたものだ。私は自分より仕事ができる人と一緒に入りたいのではなくて、ただただ自分の安心を保証してくれるような人と一緒に入りたいだけなのだ。下衆かな?アルバイトの子たちと一緒に入っているときは、何かがあったらその何かをどうにかする役目は必然的に私に回ってくる。その「何かをどうにかする役目」を一緒に果たしてくれる、あわよくば全て片付けてくれるような誰かと一緒に入って、真っ黒い腹の中で人知れず安心を貪りたい。なーーーんにも気にすることなく休憩時間を謳歌したい。店がいまよりずっと忙しかったときに、「休憩時間が休憩にならないので辞めたい」と言って辞めていった私より先輩の大学生がいたが、彼の主張は至極真っ当であった。

 

勤務中はかなり自由にトイレ行けるのに休憩中はおちおちトイレにも行ってられない職場ってほんとなんなんだよ

そんなに休憩中に呼び出されることが多い職場なのかと言われると、ウーン、そうでもない。月に1回あるかないかくらい。全然ないやん。私が勝手にドキドキしているだけなのだ。1時間のうち45分くらいはドキドキしている。おちおちトイレに篭もれもしない。最近の休憩時間は専ら事務所の椅子と一体化して腕を組み店内カメラの映像に背を向け音楽を聴きながら無心で目を瞑っている。私、今、椅子だから。何かあってもちょっと動けそうにないですね。私は椅子。私は椅子。私は椅子……

 

体重は詰まってるけど

これらの深刻にしてくだらない悩みの全ては、これまでの人生で責任らしい責任を負ったことがないことの弊害なのだろうなあ、と考える。もっと言えば、己が第一の責任者という立場に置かれたことがない故の欠陥なのだろう、と。自分主導で何かを始めたこともなければ、「最終的な責任は俺が取るからどーんとやってこい」なんて「尊敬される上司」お決まりのセリフみたいなものも吐いたことがない。後者に関しては、仮に私が正社員であったとしても、20代のうちはまだ免除されうる可能性があるにはあるのだが、30代になったらどうだろう。正社員になって部下を持ちある程度の年数を重ねたのなら、私だってそういうことを言わなきゃならん立場になっていただろうな。フリーターとしてやっていく限り、私が40代になっても50代になってもそんな場面には遭遇しないだろう。いくつになっても中身は空っぽで、いついかなるときもどっしり構えられるだけの重みが私には足りないのである。

 

地球上で最も人の命を奪っている生き物ってなーんだ

何かあったら無条件に頼れる人間がいる環境というものは、心強くもあるが、なんだか惨めでもある。とはいえ、こんな私でも第一の責任者と なりうる・・・・ 事案がたったひとつだけある。己の人生だ。己の人生については、誰だって、いつだって、よほどの幼年でなければ第一の責任者となりうる・・・・ のだ。……なりうる・・・・ 、のだ? なる・・ 、のではなくて?お前にとっては己の人生でさえも、確定的に第一の責任者ではないというのか?ああそうだ!己の人生でさえ、誰か無条件に頼れる人間のもとでやっていきたい。人間じゃなくたっていい。そもそも私の人生に何かが起こっても、それをどうにかしなきゃならんような事態にまで進むとは思えないしね。放っとけ放っとけ、そんなもの、蚊に食われたようなものだ。ポリポリ掻いてりゃ、そのうち治るさ。

 

後日談:2ヶ月ぶりにちゃんと店長来ました。やったぜ。

 

 

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