珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

「忘れたいこと」が世界の壁を乗り越える覚書|その日人類は思い出した 昔の忘れたい話を

今週のお題「忘れたいこと」についてはてなブログの言い分

2021年も残すところあとわずか。今年あった出来事を振り返る機会も増えてきたのではないでしょうか? そこで今週は「忘れたいこと」をテーマに皆さんのエントリーを募集します。「学校や職場でやらかした大失敗」「かつて思いを寄せた人との思い出」など、あなたの「忘れたいこと」についてぜひはてなブログに書いて投稿してください。もちろん数年前、数十年前のエピソードでも大歓迎です! ご応募をお待ちしております。

鬼かな?

 

だって実際1年くらい前に書いた記事のこととか忘れたいし(読み返すと恥ずかしいので)

忘れたいこと……忘れたいことか。忘れたいこと。特にありません。強いて言えば全部です。忘れたいことって、忘れたいことなんていって、いちいち記憶の隅をつついてほじくり返さなくたって、私はいつでも全部忘れたいですけど。人が記憶の畑に植わっているいくつかの芋を指して「忘れたいこと」と呼ぶのなら、私は畑そのものを指して「忘れたいこと」と呼びましょう。畑の土、畑の肥料、畑の水、畑の空気、畑の雑草、畑の霜、畑のミミズ、畑の穴、畑の畝、畑の足跡、そういったものを全部あれもこれもそれもみんな指差して、「忘れたいこと」と呼びましょう。昨日を思い出しては恥じ入り、一昨日を思い出しては頭を抱え、一週間前を思い出しては地面に埋まり、一か月前を思い出してはのたうち回り、一年前を思い出しては熱病にかかったような呻き声を上げる、私にとって生きてるってのは、全て忘れたいってことと同義なんですよ。「忘れたいこと」より「覚えていたいこと」の数を数えていたほうがよっぽど早い。「覚えていたいこと」、そうだなあ、食事の仕方と、睡眠の仕方と、発話の仕方と、文字の書き方と、本の読み方と、それくらいあれば、十分なんじゃないですかね。

shirokuro-044.hatenablog.jp

クセになってんだ、畑の芋に例えるの

 

いっそ早送りして欲しい我が人生

日常生活の中で、なんの脈絡もなく突然昔の恥ずかしいエピソードを思い出してグワーッとなる現象、ある人にはめちゃくちゃあるらしいんですが、そもそもない人っているんですか。まじかあ。幸せモンだなあ。ひとりでぼんやりしている時に前触れもなく黒歴史を思い出してグワーッとか、ないんだあ。そっかあ。いわゆる黒歴史的行動ってのは、若いうちにやらかすからカワイイもんで、いい歳こいてからそういうことをやらかすと、なんかもう、人としてある種の致命的欠陥なんじゃないかって思っちゃいますよ。私なんか先月くらいのことを思い出してもグワーッてなりますよ。恥の多い生涯を送って来ましたっていうか、生涯をコマ送りしたらどこで止めても恥でしたって感じですよ。そうそう私、実を言うと、『人間失格』を読んだことがありません。読んだことがないのに聞きかじりの有名な台詞だけ使って文章を書こうとしていますよ。もうこの時点で恥ですよ。

 

なに言ってんだこいつ

このままだと記事のテーマが「恥」になってしまう。今週のお題はあくまで「忘れたいこと」であったな。恥は「忘れたいこと」に違いなかろうが、「忘れたいこと」が全て恥であるとは限らんのだ。めちゃくちゃ唐突な話をするんですけど、なんだったか、「世界がたった今生まれたということを誰も否定できない」みたいなトンデモ説があるじゃないですか。なかったらすいません。つまり、我々はひょっとしたら、今この瞬間に「ハイ生まれました!元気な世界です!」って具合に生まれた赤ちゃん世界の上で生きているのかもしれない、みたいな。無論、我々はこの説をワイトもそう思いますと肯定することもできないが、逆に否定することもできない、みたいな……。あっ、ちょっと調べたらたった今じゃなくて、5分前でした。「世界五分前仮説」っていうらしいです。たった今じゃなくて、5分の猶予があったわけですね。この時点で恥です。

ja.wikipedia.org

 

進撃しそう

で、えー、一体なにが言いたいのかというと、えー、「世界が、厳密に言うと自分という世界が、たった今この瞬間に生まれたものだと仮定しながら生きていけば、過去のことを唐突に思い出してグワーッとなることもないのでは?」と考え、そう思い込もうとしていた時期が、私にも3日間くらいありました。結局ねえ、”世界”がたった今生まれようが、5分前に生まれようが、私の「忘れたいこと」は平気な顔して”世界”の誕生より以前からやってくるんですから、まるで意味がなかった。いくらなんでも”世界”の誕生より前からやってきちゃいかんでしょ。それも、私の「忘れたいこと」如きが。それともなんだ、「忘れたいこと」ってのは、元来そんなに強いのか?”世界”の誕生の壁をやすやすと越えてみせるくらいにか?

 

恐怖はまさしく過去からやってくる

過去はバラバラにしてやっても石の下からミミズのようにはい出てくるってエラい人も言ってるし、”世界”の誕生の壁を乗り越えるくらい造作もないことなのかもしれない。いつか”世界”の壁を乗り越えた私の「忘れたいこと」が、なにかの拍子にうっかり『この世界』と『次の世界』を隔てる壁を乗り越えて、『次の世界』の側へ行ってしまうなんてことが起こらないよう、ただただ祈るばかりである。『次の世界』までの恥なんて、真っ平御免ですからね。

 

今週のお題「忘れたいこと」

 

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