珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

引っ越しをする才能についての覚書|武士道と云ふは引っ越す事と見付けたり

今週のお題「引っ越し」について山本常朝のありがたいお言葉

人のたけは、九分十分と申し候へども、何段ほどこれあるものに候や、無量のものなり。これ迄と思ひ、一所に滞り自慢などする事、なか/\卑き位なり。歌に

いづくにも心とまらば住みかへよながらへば又もとの古里

斯くの如くに、又は住みかへ/\せずして、人並にもなるまじく候。我がたけすこし上り候時ならでは無量事は存ぜざるものなりと。

葉隠』より

葉隠クッソ面白いからみんなも読んで 過去最多級の付箋の量

 

キャンプ地(氷点下10度)

此度の新居はなかなかよいところだ。努力の甲斐があった。人様に見せびらかしても恥ずかしくない。だからもうこの辺りで十分だ。自分は満足した。ここを終生のキャンプ地とする!……なんてことを宣言した途端に、どこからともなく聞こえてくる引っ越しコール。引っ越ーし!引っ越ーし!まあそんなところである。人生、生まれて死ぬまでずっと引っ越し。今の住み家の上に胡座をかいて、よりよい家に住む努力を怠り、ずっと同じ家に留まっているような奴は、周りにどんどん追い抜かされて、気づけば朽ちて人並みにもならぬ家にしがみついている有様というわけだ。よりよい家を求めるように、よりよい人の丈を求めよ。人間、やろうと思えばどこまでもやれるから。そんな感じですね。

 

現実の住居の話をしています

今の住居そのものに不満はないけれど、まあ強いて欲を言えば、もっと狭いアパートに引っ越したいです。もっとギュギュっとした部屋に住みたい。宝くじが当たったら田舎の静かな土地にアホみたいに狭い家を建ててそこに一人で住むんだ。現状引っ越しにの予定はありませんが、ンー、あっ、お金がかからないなら引っ越したいですね。要は、努力と対価なしに済むのなら引っ越したいですね。何言ってるんですか?

shirokuro-044.hatenablog.jp

 

非現実の住居の話をしています

努力と対価なしでよりよい住まいに越せるのなら、それほど素晴らしいこともないな。世の中には是が非でも努力をしたい人、対価をキチンと払わねば気が済まない人も少なからず存在するだろうが、私は払わなくていいよって言われたらそうですかじゃあ払いませんと返すタイプなので払いません。何か物を差し入れられたときにがっついていると思われると見苦しいので最初の1回は断りましょうみたいな文化ありますけど、あれも正直茶番くらいにしか思ってないのでフツーに最初の1回で大喜びしながら受け取ります。話を戻しますが、そもそも住まいにあまり興味関心がないので、死ぬまでここで暮らすことになったとしても、それはそれで別にいいんじゃないかって思ってます。山本常朝には悪いんですけど、私が引っ越さないことで不都合を被る人間が私含めてこの世に誰ひとり存在しないことに気づいちゃったんですよね。私も日々引っ越しみたいにガツガツしてた時期がないでもなかったけど、自分には引っ越しをする才能がないって途中で気づいちゃったんで。やめました。

 

うさぎおいしいかの山

これから身体に馴染んだ人並み未満のボロ小屋のことを 古里ふるさと と呼びながら暮らしていくんだよ。いいじゃない、古里。風情があって。「新居」とか「異郷」よりも「古里」の方が味があっていいでしょ。小鮒は釣れるし、うさぎもおいしいよ。きっと。ジビエって食べたことないけど。うさぎは追うより食う方がいいですね。「ジビエ うさぎ」でGoogle画像検索したらちょっとだけガーンってなりました。やっぱりモフるのが1番いいと思います。

 

今週のお題「引っ越し」

 

 

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