珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

限界フリーターのパーフェクトさんすう教室についての覚書|あたいってば酔狂ね

ババーン

バスの待ち時間にぼんやり計算したところによると、9月10日くらいまで、やろうと思えばほぼ支出ゼロで過ごせるらしい。ほぼ、というのはその期間にどうしても使いたい値引きクーポンがあるからで、まあそれを加味しても300円程度の出費で過ごせるかもしれないらしい。もしも無事に達成できたなら、最近出費したアレやコレのぶん、いやアレのぶんくらいはまるっと帳消しにできる。ほーん。イケるかもしれないなこれ。というかイケないといけないんだよなこれ。使い物にならないノートパソコンの支払いもまだ残ってるっていうのに。ならばこの場で高らかに宣言しよう。明日から本当に絶対達成するよ!もし達成しなかったら木の下に埋めて貰っても構わないよ!

 

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生活の計算自体は得意なんですよ。ただ生活が苦手なだけであって。「生活の計算が得意」と「生活が得意」がイコールで結びつくとは限らない。私のように計算は得意だが生活はヘタクソな人もいれば、計算はヘタクソだが生活は得意な人もきっといる。私は暇さえあれば電卓を叩いて生活の計算をしている。生活の計算は得意だ。決して好きではないが。生活の計算をしていると苦しい。心臓がドキドキしたり、胃がキリキリしたり、頭がクラクラしたりする。それでも生活の計算をしていると安心する。決して好きではないが。生活の計算をすることによって、苦手としている生活が少しでも上手になればいいなと、そればかり考えて生活の計算をしている。エッ、生活の計算通りに生活が進む確率ですか?ウーン、よく見積もって1993年のイチローの打率くらいですかね。

 

80歳まで毎日更新したら18980本書けるらしいですよ

私が「生活の計算」で一体何を計算しているかというと、特になんてことはない、ごくごくありふれた普通の物事についてですよ。計算というくらいだから、メインは当然毎月の収支について。今月はいくらくらい入って、いくらくらい出て、あといくらくらい買うものが残っているか。必要なものや欲しいものについての計算、給料日まであと何日かという計算もここに含めていいだろう。あとは……あとはなんだろうな、私はあと何年今のバイト先で働くのか、何歳まで週6勤務を続けるのか、そもそも何歳まで働くのか、そもそもそも何歳まで生きられるのか、あと何年今のアパートに住んでいられるのか、死ぬまでにあと何冊本が読めるのか、死ぬまでにあと何回博物館に行けるのか、死ぬまでにあと何杯コーヒーを飲めるのか、死ぬまでにあと何本ブログ記事を書けるのか、エトセトラエトセトラ。まあ、そんなことを毎日毎日計算している。

 

答えか、過程か

どうしてこんなにたくさんたくさん計算しているのに、相も変わらず計算ミスをし続けるのか。学生時代を思い出してみても、たくさんたくさん計算問題を解いたからといって、計算ミスが減るようなものでもなかったな。もちろん計算を重ねるごとに注意深くはなるのだが、そのぶん解くスピードが落ちたり、検算をやらないと気が済まなくなったりして、なんやかんやテストの得点はプラマイゼロくらいに落ち着くのだ。複雑な問題になると、最初の方で数字をひとつ間違えただけでその後の頑張りのすべてが無意味になるというのも虚しかった。やり方はあっていても、解き方は正しくても、一行目で単純な足し算を間違えていれば、そこから続く全ての計算は無邪気な数字の羅列に過ぎない。無意味、空虚、滑稽。それを採点する先生ってどんな気分なんだろう。やり方はあってるのに、解き方は正しいのに、やだわこの子、一行目で単純な足し算を間違えてる。そこで△をくれる先生もいれば、×をつける先生もいるだろう。

 

デカルトも暖炉壊すレベル

少なくとも、私の生活の計算におけるやり方や解き方は間違っていはいないと思う。生活におけるやり方や解き方ではない。 生活の計算における・・・・・・・・・ 、やり方や解き方である。もしも私が「さあ生活の計算をするぞ、まず預金残高をすべてFXにブチ込みます、すごく増えます、お金持ちになったので仕事を辞めます、余生を楽しみます」なんてことをやりはじめたら、「いやいや待てその計算はおかしい」となるだろう。だがそんなことは一切やっていない。ありきたりだが堅実に、確実なところを攻めているはずなのだ。なのにどうして。ありきたりで堅実で確実なのが却ってだめなのだろうか。生活の計算の上でなら、私はよくやっているはずなのだ。でも私が生きている場所は生活の計算の上ではなく生活の上なのだから、生活の上でよくやらないとまるで意味がないのか。じゃあ私はなんのために毎日毎日計算しているんだ。電卓を捨てて旅に出よう。あのデカルトだって、教科書を捨てて旅に出たんだ。電卓を捨て、旅に出て戻ってきた暁には、なんかこう、いい感じにすごい数学的発見を携えているかもしれない。それで、そのいい感じにすごい数学的発見を元手にお金持ちになって、仕事を辞めて、余生を過ごすのだ。ハァー、うっとりするくらいパーフェクトな計算だなあ。

 

 

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