珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

次から次へ次から次を考える覚書|次から~次から~次が来てる~~~僕は~それを~次へ受け流す~~~

※頭からっぽにして読んでください

 

素朴な疑問

「次から次へ」の「から」って何

 

敵の装甲車を発見!

「次から次へ」という言葉について真面目に考えていた。ウーン、これは思いのほか沼だぞ。ええと、だからその、ひと口に「次から次へ」と言っても、ざっくり分けて「次→次」「次+次」の2通りの微妙なニュアンスがあるじゃないですか。例えば「次から次へとクッキーに手を伸ばす」という場合は「次→次」だし、「次から次へ敵がやって来る」という場合、「次→次」という状況もなくはないだろうが、敵からすれば第一部隊が壊滅するのを見届けてから第二部隊を送るような、いわゆる戦力の逐次投入をしてやる義理はないわけで、第一部隊が健在の状態で第二部隊を送り込むことだって当然あるわけだから、往々にして「次+次」という状況が成立するのである。「第一部隊、壊滅!次、第二部隊、壊滅!次、第三部隊、壊滅!次、第四部隊……」ではなく、「第一部隊!次、第二部隊!次、第三部隊!次、第四部隊……」という風に。この曖昧さ加減からも分かる通り、日常の用法内では純粋な「次→次」、純粋な「次+次」はあまり存在せず(存在するとしたら行為者は恐らく機械かなにか)、コーヒー豆よろしく「次→次」と「次+次」を絶妙な割合でブレンドして、いい感じのニュアンスを出している。気がする。

 

どういうことだよ

「次から次へ」において、次というものがどのくらい続くのか行為者次第である。「次から次へクッキーに手を伸ばす」という例文でいえば、5枚くらいで腹いっぱいになって手を置くこともあるだろうし、それこそ死ぬまでクッキーに手を伸ばすようなことだってあるだろう。あるのかな?まあそれはどうでもいいとして、「次から次へ」の次はどこまでいってもただの次でしかないんだなって。終わりに近づけば近づくほど歳を取ったり、エラくなったり、強くなったりするような代物ではなくて、次はどこまでいってもただの次なんだなって。これは具体的なものについて言っているのではなく、『次』という言葉そのものがどこまでいっても変わらないという意味だ。具体的なもの、すなわち第一部隊より次の第二部隊の方が強く、次の第三部隊はさらに強く、次の第四部隊はもっと強いということは、当然ありうる。けれども『次』は、どこまでいってもただの次ではないか。「次長老」とか「次社長」とか「次先生」とか「次元帥」にはならないじゃないか。そういうこと。

 

第四部隊はほぼ健在ですが第三・第二部隊は負傷者多数、第一部隊は全滅しました

「次から次へ」という言葉、英語では「one after another」というらしい。ド直訳すれば「もうひとつのあとのひとつ」。「after」という単語のせいか、私のえいご力が薄弱なせいか、どうしても「次→次」の方を思い浮かべてしまう。「次+次」の方をより強調したければ、なんとすればいいのだろう。類似の日本語はなにがあるかな。ひっきりなしに?畳み掛けるように?continuously(連続して)?without a break(絶え間なく)?ウーン、もうちょっとこう、新たにやって来たものが既存のものに積み重なると同時に最初にあったものから少しずつ消えていくようなニュアンスを一言で分かりやすく表現できる都合のいい単語はないだろうか?

 

欲求についての考えがここ数日頭を離れない 

人が次から次へとなにかを求めてやまない生き物であることは、大昔から自覚的に語られている事柄である。それでいつの時代も、その「次から次へ」にうんざりした一部の人間が、欲しないこと、求めないことの先に本当の幸せがあるのではないかと説いて、なんかそれっぽいことをやってはいるが、結局「次から次へ」の勢いを殺すほどの成果は得られないまま、今日に至る。まあ、人が一方的に流れる時間というレールの上を走っている限り、「次から次へ」を完璧に回避することは実質不可能である。「次から次へ」は我々と共に併走している。時には我々の少し前方を走り、時には我々と完全に隣り合わせで走り、時には我々の少し後方を走る。

 

たぶんそう

「次から次へ」飛び移っている人間はうじゃうじゃ見るがが、「今から今へ」飛び移っている人間ってまだ見たことないな。今っていう言い方がよくないかな?「ここからここへ」「現在から現在へ」……ウーン、どれを取っても奇妙な物言いである。人は誰しも、今を生きているわけでしょう?だから、今にいなくちゃいけないんでしょう?でも人の動きはいつも「次から次へ」であって、それこそ今にいる人間なんて一人もいないようなものじゃないですか。よしんば「次の今から次の今へ」としたところで、今の今が行方不明なんですよ。「明日生きるための食料を蓄えて、今日飢え死にする」ような生き方を、人は好むのかな?

 

過去の頭からっぽにして読んでくださいシリーズ

shirokuro-044.hatenablog.jp

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わあい(^O^)

 

 

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